ギータ逆転サヨナラ弾!日米野球史上初「最高です。ミラクル」

[ 2018年11月10日 05:30 ]

日米野球第1戦   侍ジャパン7―6MLB選抜 ( 2018年11月9日    東京D )

9回2死一塁、柳田が中越えにサヨナラ2ランを放つ(撮影・篠原岳夫)
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 4年ぶりの開催となった日米野球が9日に開幕し、侍ジャパンがMLB選抜に7―6で逆転サヨナラ勝ちした。9回に1点差に詰め寄り、なおも2死一塁から5番の柳田悠岐外野手(30=ソフトバンク)がバックスクリーンへ逆転2ランを放った。3勝2敗で勝ち越した前回14年にMVPを獲得した主砲の劇的な一発。逆転サヨナラ本塁打は、日米野球史上初の快挙となった。

 ヘルメットがずれるほどのフルスイング。柳田は打った瞬間、確信した。抑えのイェイツが投じた146キロの速球を捉えた打球がバックスクリーンで大きく弾む。逆転サヨナラ2ランだ。すぐに走りださず、一塁ベンチを指さしてゆっくりと歓喜の輪へ向かった。

 「最高です。ミラクル。来た球を、当たる球をしっかり当てる。その中で自分のスイングをしようと。シンプル・イズ・ベスト!」

 前回のMVP男が放った大会史上初の逆転サヨナラ弾。9回に1点差に迫り、なお2死一塁だった。連覇を果たした日本シリーズでも第5戦の延長10回にバットを折りながらサヨナラ弾を放った。驚がくのパワーを、MLB選抜に見せつけた。

 衝撃の連弾に、ぞくぞくきていた。5回にサンタナが特大3ランを左翼へ運ぶと苦笑いした。「もう(インパクトの)音が凄くて…。一ファンとしてセンターを守ってました」。大会前には20歳と年下ながらナ・リーグ新人王候補のソトに興味津々。映像はインスタグラムで確認し「ソト選手を近くで見たい。ああはまねできないですけどね」とうなっていた。そのソトも6回に2ランで続いてきた。抑えきれない本能を解き放ち、最後の最後に、この日誰より大きく美しい弧を描いた。

 4回1死では四球を選び、強肩モリーナから初球に二盗成功。5回2死二塁では申告敬遠もされた。ソフトバンクや過去の代表では「44」と「9」を背負ったが、今回は背番号「22」を自ら選択。「格好良いからです。22で相性良かったら続けるかも」と躍動した。

 稲葉監督の執念も奇跡を呼んだ。2点を追う9回2死二塁で、3三振の4番・山川に代打・会沢を送った。これが的中し中前適時打で1点差に迫り、柳田の劇弾につながった。

 「勝利へ最善の努力をする。4番を代えるのは苦渋の選択でしたが会沢選手に懸けた」。初陣だった昨年11月のアジアチャンピオンシップ。韓国との初戦でも延長10回タイブレークの末の逆転サヨナラ勝ちだった。

 指揮官は「これからもあるし、明日はもう少しやさしい打順を」と山川を4番から外す考えも示唆した。新4番に「もちろんある」と柳田が座る可能性は十分。世界最強軍団相手に目標とする全勝優勝へ。日の丸の主砲のフルスイングが、これ以上ない弾みをつけた。 (後藤 茂樹)

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2018年11月10日のニュース