新生原巨人、松原が“1号”ランニング弾!若手主体でV奪回手応え

[ 2018年11月9日 05:30 ]

エキシビションゲーム   巨人6―9MLB選抜 ( 2018年11月8日    東京D )

4回1死二、三塁 代打・松原はランニング3ランを放つ(撮影・三島 英忠)
Photo By スポニチ

 4シーズンぶりに復帰した巨人・原辰徳監督(60)が8日、MLB選抜とのエキシビションゲームで1123日ぶりに東京ドームに戻ってきた。背番号83を初披露し、事実上の初采配を振った。試合は6―9で敗れたが、育成出身で2年目の松原聖弥外野手(23)が4回にランニング本塁打。81年の日米野球でランニングアーチを放った指揮官にとっては、運命的な一戦となった。

 試合後の記者会見。並んで席に着いた松原へ、原監督は緊張をほぐすように「出世したね」と声を掛けた。

 「一言で“のびのび野球”と縛りたくはないけど、選手たちが持っている能力を自信を持ってプレーする。チームの中で一番実行しているのは、松原選手。非常に彼は“陽”の選手。勝利を呼び込むみたいなね、そんな力がある」

 大絶賛。それほどまでに印象深い打席だった。4回1死二、三塁で代打登場。過去2年間は1軍出場なし。フルスイングした打球は左中間へ伸びた。追う左翼手と中堅手の間を抜けると、本塁まで一気に快足を飛ばした。

 「入団した時から初打席は楽しもうと思っていた。それが結果につながって良かった」

 半年前まで育成選手だった男が、6回の打席では一塁内野安打で出塁し、二盗も決めた。7月末に支配下登録。イースタン・リーグでは新記録となる134安打をマーク。50メートル5秒8の俊足で、同リーグ2位の24盗塁も稼いだ。原監督が秋季キャンプで訓示した「攻撃的なプレーをしなさい」の言葉を胸に、積極果敢な走塁を示した。

 81年11月3日。全日本とロイヤルズで行われた日米野球第3戦で、プロ1年目だった原監督もランニング3ランを決めた。その日米野球では、通算3154安打を放ったジョージ・ブレットの8本塁打に次ぐ、6本のアーチを記録。ロイヤルズを率いていたディック・ハウザー監督には「(メジャーでも)レギュラーになれる素材」と認められた。

 15年10月12日、阪神とのCSファーストS第3戦以来となる東京ドームでの采配。第1次政権時と同じ背番号83のユニホームもお披露目となった。「過去の年数、多少のキャリア、これは自分の中では捨てています。非常に新鮮な形で采配も振ったつもり。緊張感もありました」。復帰後、本拠地初采配で「ダイヤの原石」も発見。勝利では飾れなかったが、のびのび野球を体現する試合となった。(川手 達矢)

 ◆松原 聖弥(まつばら・せいや)1995年(平7)1月26日生まれ、大阪市出身の23歳。仙台育英―明星大を経て、16年育成ドラフト5位で巨人に入団。2年目の今季7月31日に育成から支配下登録されるも、1軍出場はなし。今季は2軍で117試合に出場し、134安打を放ち、打率・316をマークした。1メートル73、72キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

2018年11月9日のニュース