雄星、愛称は“Kuuchi”週明け渡米 年内に「大リーガー菊池」誕生へ

[ 2018年11月9日 05:30 ]

西武の菊池
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 西武からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す菊池雄星投手(27)のスコット・ボラス代理人(66)が7日(日本時間8日)、GM会議の会場を訪れ、若さや球の速さが今オフの移籍市場で希少価値が高いことをアピール。米メディアは菊池が週明けにも身体検査のため渡米する見通しを伝え、10球団近い球団の参戦が予想される菊池争奪戦が徐々に熱気を帯びてきた。

 代理人への就任が正式決定後、初めての公の場。メジャー屈指の敏腕代理人で知られるボラス氏は、サングラスを外して日本メディアの取材に応じた。

 「彼はどんなチームでもフィットする。これから強くしていくチームでも、優勝を成し遂げたチームでも、優勝のすぐそばまで来ているチームでも」

 第一のセールスポイントは27歳という若さと、勤続疲労が少ない点。「球団のオーナーや幹部たちは、年齢を見る。移籍市場(の先発左腕)では一番若い投手だし、そんなに多くイニングも投げていない」と訴えた。

 菊池のプロ最多の投球回は昨季の187回2/3。11年オフのダルビッシュ(日本ハム→レンジャーズ=当時25歳)は4度、13年オフの田中(楽天→ヤンキース=同25歳)は2度、15年オフの前田(広島→ドジャース=同27歳)は4度、200イニング以上を投げていた。肩や肘は米国では消耗品と考えられる。肩や脇腹に故障歴があるものの、「一般的な基準と比べて彼のはささいなもの」とした。

 今オフの移籍が「パーフェクトなタイミング」とし、もう一点強調したのは球の速さ。「直球の速度は大リーグのほとんどの左投手を上回る。1位か2位の速さだ。彼への需要は大きいと思う」。最速158キロの球速が魅力だとした。先発左腕の市場にはハップ(ヤンキースからFA)、コービン(ダイヤモンドバックスからFA)、カイケル(アストロズからFA)らがいるが、いずれも速球で押すタイプではない。

 ニューヨーク・ポスト紙の名物記者ジョエル・シャーマン氏は自身のツイッターで「菊池は身体検査のため、来週に渡米予定。その後、日本へ戻って11月末にポスティングされる」と報じた。ポスティングが米30球団への通知後、30日間が交渉期間となる。「我々は彼をクーチ(Kuuchi)と呼んでいる。ポスティングの期間が始まるのを楽しみにしている。全てのチームを吟味していく」とボラス氏。メジャーリーガー・菊池の年内誕生に向け、高らかに決意を表明した。(笹田幸嗣通信員)

 ≪インディアンスは先発左腕白星ゼロ≫現有戦力で左腕の先発投手が特に充実しているのはレッドソックス、マリナーズ、カブス、ドジャースの4球団。ヤンキースは今季終了後にサバシアとハップがFAとなったが、サバシアは既に残留が決まり、ハップとの再契約も目指している。今季地区3連覇を果たしたインディアンスは、先発左腕による白星がゼロだった。

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