日本シリーズで見せる「つなぎの4番」 鈴木誠也の姿にサブローが重なる

[ 2018年10月29日 10:42 ]

<広・ソ2>5回1死二、三塁、中前に2点打を放ち、ガッツポーズで雄叫びを上げる鈴木(撮影・北條 貴史) 
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 日本シリーズは32年ぶりのドロー開幕で始まり、2戦目は広島が先勝した。勝因は4番・鈴木の3安打3打点という活躍だったが、自己最多の30本塁打を放ったレギュラーシーズンのような豪快な打撃を見せているわけではない。徹底したチーム打撃が目立っている。

 第1戦。初回1死一塁で迎えたシリーズ最初の打席だった。相手エースの千賀に対し、外寄りのスライダーを逆らわずに逆方向の右前に打ち返した。一、二塁と好機を広げ、2点目につなげた。

 第2戦。3―0で迎えた5回1死二、三塁だった。バンデンハークが投じた4球目。外寄りで3球続いたスライダーを引っ張らずに中前にはじき返し、ダメ押しの2点打となった。2ボール1ストライク。打撃有利のカウントでも強振しない。ここでも引っ張る意識は全く見られなかった。

 広島にとって、34年ぶりの日本一を目指す今回の日本シリーズ。鈴木はチーム打撃への高い意識を口にしていた。

 「打てなくても四球とか併殺崩れの1点とか、とにかく点に絡めればいい。最高の結果を求めてやるが、状況に応じて、そういうことを考えたい」。勝利のために自己犠牲をいとわない姿勢をどこまで貫けるのか。そこに注目していたが、その姿は有言実行である。

 まさに「つなぎの4番」――。このフレーズを出すと、元ロッテのサブローを思い出す。シーズン最多は22本塁打。通算本塁打もプロ22年で127本と決して長打力があったわけではない。それでも4番を任され、2005、10年にロッテを日本一に導いた。打球を詰まらせて内野と外野の間に運ぶ打撃スタイルが、「つなぎの4番」と言われたゆえんである。サブロー本人も「詰まっての安打、バットを折っての安打が自分の中で最高の打撃」と言っていた。

 日本シリーズという短期決戦。シーズンでは交流戦でしか対戦できない投手を打ち崩すことは容易ではなく、フルスイングすることは難しい。それはWBCなどの国際大会を見れば、よく分かる。いかに打線を「線」にするか。鈴木の献身的な姿に強い意志を感じる。広島とは対照的に、ソフトバンクは4番の柳田が徹底した内角攻めに遭い、苦しんでいる。今のところ、「4番の差」が広島の1勝1分けにつながっている。(記者コラム・飯塚 荒太)

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