日本ハム北浦 期待の高卒左腕 プロの体つくった1年目 “157キロ”の道歩む2年目

[ 2018年10月23日 12:19 ]

1年目に地道に鍛えた肉体で、木田GM補佐超えの最速157キロを目指す北浦
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 今季ドラフト5位で日本ハムに入団し、宮崎フェニックス・リーグに参加している北浦竜次投手(18)が本紙のインタビューに応じた。白鴎大足利から入団した高卒1年目は、10月4日の楽天戦(楽天生命パーク)で1軍デビュー。パ・リーグ初の2000年生まれの初登板で3者凡退に抑えて初ホールドも記録したプロ1年目を振り返った。 (構成・東尾 洋樹)

 ――今月4日の楽天戦では1軍初登板で1回無失点。あの試合を振り返って。

 「1軍で変化球も切れのある球が投げられた。あの試合は自信につながりましたね」

 ――今年一年はどうだった?

 「1軍で登板もできて、自分なりに結果も出せた。とてもいい経験になった」

 ――同期入団ではドラフト1位・清宮、2位・西村、7位・宮台が先にデビューした。

 「特に意識はなかったですね。その頃は自分のことで精いっぱいでした」

 ――今年良くなった部分は?

 「プロでも直球で押せて勝負できたことは自信になりました。直球で押せていたことが評価されたんだと思う。最速も高校時代の147キロから152キロまで速くなりました」

 ――変化球の手応えは?

 「今は遅いカーブと速いカーブに決め球のチェンジアップ。スライダーはコーチ陣から“まだ投げなくていい”と言われている。チェンジアップが良くなったことで三振が増えたと思う。手首を内に入れて少し引っ掛けるようなイメージで投げたら良くなった。(8月28日のイースタン・リーグ)DeNA戦でもそのイメージで投げたら5回で10個三振を奪えた」

 ――左投げは、ソフトボールの埼玉県代表として国体出場経験のある母・里美さんの勧めだと聞いた。

 「小2で野球を始めた時に自分は右投げだと思っていたら母から“左にしなよ。左の方が球の質がいい”と言われた。小4から投手でしたが、小学校のチームは弱かったので左投げで内野手も捕手もやっていました。母が左投げにしてくれたおかげでこのプロの世界にいられると思う」

 ――プロに入って体つきが見違えるように変わった。

 「体重は1月から6キロ増えて91キロです。特に下半身が大きくなって、太腿は5センチアップして70センチになりました。ユニホームのズボンは3サイズ目です。入団時の1月に着ていたズボンは、もうパツパツではけないですね。プロに入ってウエートトレーニングの環境面と食事面が充実したことが大きいですね」

 ――今後の目標は?

 「あとはこの下半身をしっかり使えるようになることですね。来年は先発ローテーションに入れるようになりたいです。球速の目標は155キロです」

 ――取材中に通りかかった木田優夫GM補佐が“俺は最速156キロだったから157キロだな”と言っていた。

 「157キロで(笑い)。木田さん超えを目指します」

 【取材後記】北浦は現在、来季の先発ローテーション入りを目指してフェニックス・リーグに参戦中だ。そして、運命のドラフトからまもなく1年。「もう1年たつんですね。早いですね」と感慨深げに話した。

 昨年、アマチュア野球担当だった記者は昨夏の栃木大会準々決勝の白鴎大足利―文星芸大付戦を取材。「あの試合にいたんですね。自分が本塁打を打っていれば勝てたかもしれないんですよね」と思い出話に花が咲いた。3点を追う8回1死一、二塁から高校通算26発の4番・北浦が放った右翼ポール際の大飛球はファウルとなり、試合は3―4で敗れた。

 その試合後、「磨いていきたい」と話した直球がプロで生き残るための生命線となる。線の細かった17歳が、わずか1年でこんなにもたくましい姿に変身し、記者としても感慨深い。 (東尾 洋樹)

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