赤星憲広氏 阪神・矢野新監督は何をするのにも熱い男“初代必死のパッチ”

[ 2018年10月23日 09:30 ]

阪神・矢野新監督へエール

03年9月、サヨナラ打を放ちベース上で跳びはねる赤星に駆け寄る矢野(右)
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 一言でいうと、熱い人。厳しい人でもあります。01年から9年間いっしょにプレーさせてもらいましたが、ゲーム中はとにかくすごい形相で近寄りがたいぐらいの雰囲気でした。リードしているからホッとしているとかもまったくなく、勝った後でもピリピリされていました。

 それでも矢野さんらしいなと思っていたのが、打たれた投手をよく呼んで反省会をされていたのを何度も見たのですが、「構えたところに投げて来いよ!」とか「もっと腕を振れ」みたいに怒鳴りつけるのではなくて、「俺はこう思ったからこういうサインを出したんだけど、お前はどう思った?」「きょうはこうやって点を取られたから次はこうしようか」みたいに、いっしょに反省し、対話をよくされていました。

 ユニホームを着ていないときは、面白いというか、やっぱり関西人ですよね。矢野さん自身がお立ち台に立ったとき“必死のパッチ”を定着させましたし、2軍監督でも鳴尾浜で勝った後はスタンドを喜ばせるようなスピーチを選手に課しましたが、いつもファンの方を楽しませようとされていますよね。オンとオフのメリハリがすごくて、良い意味の“二重人格”だと思います(笑い)。

 プライベートでは、釣りとゴルフが大好きなはずですが、でも、それら趣味でやっていることでもストイックです。琵琶湖での釣果は驚くほどですし、ゴルフも野球界で屈指のうまさです。現役引退後も朝早くからウエートトレをされていますし、何をするにもとことん真剣な人です。

 今年、テレビでですが阪神の2軍戦をみて、本当に面白かったです。ワクワクさせてくれる野球でした。個人的にはそのままの野球が1軍でも見たいです。例えば盗塁で熊谷や島田が1軍戦でも走れるか、2度3度と失敗しても次もまたスタートを切れるか…。1軍でも同じようにするのは簡単なことではありませんが、矢野監督には『超積極野球』を貫いてほしいです。(スポニチ本紙評論家)

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