ドラ1候補の立命大・辰己が歴代2位の通算120安打 27年ぶり記録更新に挑む

[ 2018年10月22日 08:00 ]

関西学生野球連盟第8節2回戦   立命大8―6同大 ( 2018年10月21日    わかさスタジアム京都 )

通算安打を120の大台に乗せた立命大の辰己(右から2人目)
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 今秋ドラフト1位候補の立命大・辰己涼介外野手(4年)が21日、同大2回戦に「1番・中堅」で先発。阪神などが視察する中、3安打1打点2盗塁に加え、好守連発で1勝1敗のタイに持ち込んだ。この日の3安打でリーグ戦通算安打数を120の大台に乗せ、歴代単独2位に浮上。田口壮(関学大)が持つ123安打の連盟記録更新へ望みをつないだ。

 走攻守で辰己の独壇場だった。1点を追う3回2死三塁。詰まった打球は一塁へのボテボテの当たりだったが、50メートル走5秒7の快足を飛ばして内野安打を勝ち取った。この泥臭い同点打が反撃の起爆剤になった。先頭で迎えた6回も一塁内野安打で出塁すると、3回に続いて二盗に成功。橋本和の中犠飛で決勝のホームを踏んだ。

 7回には外角直球を仕留め、左中間へ二塁打。3安打の固め打ちで通算安打数を120の大台に乗せ、歴代単独2位に浮上した。連盟記録は田口壮(関学大)の123安打(88春〜91秋)。きょう22日の同大3回戦で27年ぶりに大記録を更新する可能性もあるが、当の本人は無頓着だ。「誇りには思いますが、何とも思っていません」と笑い飛ばした。

 安打より喜んだのが4回の守備だ。1死から右中間を破りそうな痛烈な打球に追いつき、シングルヒットに止めた。次打者の中飛で一塁走者が飛び出し、レーザービームで併殺を完成させた。昨秋の練習中、マウンドから遊び感覚で投げた球速は145キロを計測。遠投125メートルの鬼肩は本物だ。「あの二つは自分を象徴するプレーです」とうなずいた。

 1年春以来の1番打者で強烈な輝きを放った今秋ドラフト1候補。後藤昇監督も舌を巻いた。「あの記録は破れないと思っていたけど、最終戦にチャンスを残していることがすごい。辰己が(来年)抜けると思うと、ゾッとします」。泣いても笑っても学生最後の一戦。全12球団から調査書が届く大学No.1野手は平常心で大記録に挑む。(吉仲 博幸)

 ◆辰己 涼介(たつみ・りょうすけ)1996年(平8)12月27日生まれ、兵庫県神戸市北区出身の21歳。藤原台小1年から「神戸北リトル」で野球を始め、投手、遊撃手、外野手。小3から「大淀ボーイズ」でプレー。有野中では「神戸三田ドジャース」に所属。社では1年秋からベンチ入りしたが、甲子園出場なし。立命大では1年春からリーグ戦に出場。50メートル走5秒7。遠投125メートル。侍ジャパン大学日本代表。1メートル80、74キロ。右投げ左打ち。

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