さらば由伸監督 広島ファンからもコール「勝てなかったというところが全て」

[ 2018年10月20日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第3戦   巨人1―5広島 ( 2018年10月19日    マツダ )

<広・巨>ファンの声援に応えながら引き揚げる高橋監督  (撮影・大塚 徹) 
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 巨人の18年シーズンが終わりを告げ、同時に高橋監督の3年間が幕を閉じた。最後まで広島が立ちふさがった。ファイナルS3連敗。赤い壁は分厚く、どこまでも高かった。

 「なかなか、広島相手にいい戦いができなかった。打線?今日はそういうところを振り返ってもしようがない。勝てなかったというところが全て」

 蓄積疲労を考慮し、エース・菅野の中4日を避けて先発は今村に託した。だが、2回にメヒア、野間の連打などで2点を先制された。先手を取られると、3回は2死から丸に右越えソロを被弾。5回にもダメ押しの2点を失った。中継ぎ陣を次々に投入したが、一方的な試合となった。

 苦難の船出から始まった。15年オフ。現役続行から一転し、監督に就いた。「引退即監督」。戸惑うこともあったが、当時の球団は野球賭博問題真っただ中でそれどころではなかった。就任1年目の16年3月25日のヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)。監督として晴れの日となるはずが、試合前のグラウンドで関係者に向けて賭博問題の謝罪を行った。

 客席からは容赦ない罵声が飛んだ。行く先々でこの問題が付きまとい、相手スタンドからはヤジも飛んだ。「(監督を)引き受けると決めたのは俺なんだから。周りから何を言われてもそれは仕方がないこと。俺がやるしかないんだよ」と漏らしたこともあった。白髪も増えていった。

 戦力も過渡期。ドラフトやFA補強なども戦力アップにつながらなかった。1年目は2位に入ったが、2年目は11年ぶりのBクラス。今季は3位も広島には13・5ゲーム差があった。一方、開幕前に「ケガをしない限り代えない」と若手との心中を宣言し、岡本は6月から4番に据えるほど才能を開花させた。

 広島ファンからも由伸コールが起こり、巨人の応援席からは現役時代の応援歌も流れた。「今はまだ…、終わったばかりだからね…」。その瞬間だけは目を真っ赤に腫らした。現役から21年連続で巨人のユニホームを着続けた。背番号24が、本当の引退を迎えた。 (川手 達矢)

 ▼巨人・石井一夫球団社長(高橋監督は)まだ若いので、これで終わりでないと僕らも思っている。育成の方も凄く頑張ってくれた。若手がどんどん伸びてきている。

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