阪神・矢野新監督14年ぶりVへ“三本の矢”「超積極的、諦めない、喜ばせる」

[ 2018年10月19日 05:30 ]

球団旗の前でガッツポーズを決める矢野新監督(撮影・後藤 正志)
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 阪神・矢野燿大新監督(49)が18日に大阪市内のホテルで就任会見し、最下位からの逆襲へ向けて(1)超積極的(2)諦めない(3)誰かを喜ばせる、の三本の“矢”を方針に掲げた。3年契約で背番号は今季までと同じ88番。猛虎第34代の監督として17年ぶり最下位からの逆襲を託され、就任1年目から優勝を力強く目標に据えた。

 矢野新監督が掲げた絶対方針は若手を指導した今季と同じ“三本の矢”だった。1、2軍の別なく、全てに通じる心構えとして強調した。

 「今までやってきた『超積極的』『諦めない』『誰かを喜ばせる』というのは僕がやっていく中で常に大事にしていきたい部分と思っています」

 スポットライトが降り注ぐ壇上で闘志をみなぎらせた。解任の色濃い金本前監督の辞任からわずか4日しかない時間で就任要請を受諾。迷い、悩み抜いた末に決断した新たな道だ。テレビカメラ12台、報道陣100人以上が見つめる中で発した注目の第一声にすべてが集約されていた。

 「“よし、やってやるぞ”という気持ちに向いています」

 覚悟を決めた所信表明の言葉には力強さがあった。偽りのない素直な胸中だった。今季は2軍監督として12年ぶり5度目のファーム日本一を達成。1軍の舞台では勝敗の重みは比べものにならない。特に今季は17年ぶりの最下位に低迷。一番下からの再出発でも頂点だけを見据えた。

 「もちろん、もちろん勝負よ。勝負にいく。3年後に優勝なんか、みじんも思っていない。来年、優勝を狙うし、ファンを喜ばせるのに3位でいいということはない」

 呼びかけたのは選手だけではない。視線の先にあるだろうファンに向けての熱いメッセージだった。球団からは就任を迫られ、組閣も、補強も万全ではない中での船出。準備や土台が十分に用意されたとは言えない状況でも1年目から目標を「優勝」と言い切った。来季もリーグ3連覇の王者として熟成する広島、宿敵の巨人など強敵が待ち受けていても目標は揺るがない。

 矢野野球とは?の問いには「理想はやっぱり点を取りたい。やっぱり03年が理想」と描いた。守備では正捕手として扇の要を担い、攻撃でも打率3割超の強打で下位打線を活性化。何より18年ぶりのリーグ優勝でファンを“喜ばせた”思い出深い年だ。

 あの感動を共有した当時監督の星野仙一氏は今年1月にこの世を去り、盟友だった金本前監督も志半ばでユニホームを脱いだ。すべての思いを背負い、荒波に立ち向かう。(山本 浩之)

 ≪盟友の思い継承≫矢野監督は東北福祉大時代からの盟友・金本前監督への思いを問われて言葉を詰まらせた。「僕は大学も一緒にやって、タイガースでも一緒にプレーして、監督・コーチとしても一緒にやってきた間柄で本当にいろんな思いがあります。それを皆さんに話すというよりは自分の胸の内に秘めて、本当に戦っていく、やっていくというのが僕は一番いいと思っています」。さまざまな思いを抱えて盟友の路線を継続しつつ、自身の色も出していく。

 ◆矢野 燿大(やの・あきひろ)1968年(昭43)12月6日生まれ、大阪市出身の49歳。桜宮から東北福祉大を経て90年ドラフト2位で中日入り。97年オフにトレードで阪神へ移籍。正捕手としてリーグ優勝に貢献した03、05年はベストナインとゴールデングラブ賞に輝き、10年限りで現役引退。プロ20年間で通算1669試合、打率・274、112本塁打、570打点。16年から阪神1軍作戦兼バッテリーコーチを務め、18年は阪神2軍監督。右投げ右打ち。

 ▽03年阪神Vと矢野監督 星野監督2年目、広島から金本、日本ハムから下柳、メジャーから復帰の伊良部と大物選手獲得。金本、桧山、アリアス、片岡ら主軸の前後を今岡、赤星、矢野、藤本らが固める布陣でリーグトップの728得点を量産。87勝中、逆転勝ち42度で「逆転の虎」の異名を取った。7月8日には早くもマジック「49」が点灯。9月15日に18年ぶりのリーグVを決めた。矢野は正捕手として123試合でマスクをかぶり、打撃でも下位の打順で14本塁打79打点を稼ぎ、リーグ3位の打率・328で「恐怖の7番打者」と呼ばれた。

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