誰からも愛された「鉄腕」巨人・山口鉄 再び見たいチームに貢献するユニ姿

[ 2018年10月18日 10:00 ]

山口鉄(前列左から3人目)の引退会見に花束を手に訪れた(前列左から)菅野、内海、杉内、村田氏、(後列左から)宮国、沢村、坂本勇、長野(撮影・荻原 浩人)
Photo By スポニチ

 大粒の汗をかきながら、無数のフラッシュを浴びていた。10月5日。巨人の山口鉄也投手が、都内のホテルで引退会見に臨んだ。「私、山口鉄也は今シーズンを持ちまして、引退を決意しましたので、ご報告させていただきます」。人前で話すのが苦手だという。会見でも最後まで、緊張しっぱなしだった。

 05年の育成ドラフト1巡目で入団。150キロ超の直球とシュート、スライダー、チェンジアップなどを武器に頭角を現した。07年に支配下登録され、翌年は67試合登板で新人王を獲得。同年から9年連続60試合登板という金字塔も打ち立てた。「育成の星」「鉄腕」と称され、多くのファンの支持を集めた。

 報道陣の中にも、好印象を抱く者が多かった。律儀な性格。中継ぎ投手が取材を受けることは「負け試合」が多くなりがちだが、試合後は通路で立ち止まり、最後まで丁寧に答える姿が印象的だった。最後は「チームの期待に応えることができなくて申し訳ないです」で締める。責任感の強い男でもあった。

 仲間からも愛された。会見後には同じく今季限りで引退を表明した杉内と、球団OBの村田修一氏、現役の内海、長野、坂本勇、沢村、菅野、宮国がサプライズで登場。花束を渡した。記念撮影では当然ながら中央へ促された。グラウンド以外で目立つのは苦手。この日、一番の汗をかきながら、チームメートらと写真に納まる姿が非常に印象的だった。

 第二の人生は間もなく始まる。長年に渡りブルペンを支えた功労者。いつか再びユニホームを着て、チームの戦力アップに貢献する姿を見たいと思う。

続きを表示

2018年10月18日のニュース