【追球】勝負分けた4回、ソフトB甲斐の打席 ヒット捨てて四球狙い出塁

[ 2018年10月18日 09:39 ]

パ・リーグCSファイナルS第1戦   ソフトバンク10―4西武 ( 2018年10月17日    メットライフD )

<西・ソ>4回2死一、二塁、四球で出塁するソフトバンク・甲斐 (撮影・白鳥 佳樹) 
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 1打席目と違ったのはその脳裏に「残像」があることだった。1点を追いかける4回2死一、二塁。ソフトバンク・甲斐は西武・菊池に2球で追い込まれた。この回の得点の気配は消えかかったが、7球粘った末の四球から、一挙5得点。勝敗の分岐点となった。

 「ファウルでいいと思っていた。前の打席は空振り三振だったのでゾーンを上げて、食らいついていった」

 2回1死一、二塁はスライダーで空振り三振。球威、切れを体感し、頭の中を「ヒット」から「四球」狙いに切り替えた。

 ゾーンを絞り、ファウルで粘ることでボールをぎりぎりまで見極めた。2ストライクから直球、2球連続のチェンジアップを見送る。フルカウントからやられているスライダーが続いたが、6球目145キロはファウル、7球目の147キロにはバットが止まった。「その前の三振があったので」。甲斐は同じ失敗を繰り返さなかった。

 「あれが大きかった。相手にとっては痛かった。これを反面教師にせにゃいかんね」と達川ヘッドコーチ。指摘の通り、西武・辻監督は「(下位打線を)アウトに取れず、ああいう形になった」と敗因の一つに挙げた。

 小さなミスが、流れを左右する短期決戦。「これからも考えながら打席に入りたい」。甲斐は自分に言い聞かせるように言った。(福浦 健太郎)

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2018年10月18日のニュース