誠也 ポストシーズン47打席目1号 4番の仕事「気持ち的にも楽になる」

[ 2018年10月18日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第1戦   広島6―1巨人 ( 2018年10月17日    マツダ )

<広・巨>4回無死一塁、鈴木が左翼席へ2ランを放つ (撮影・大塚 徹) 
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 クライマックスシリーズ(CS)は17日にファイナルステージ(S)が開幕し、セはリーグ3連覇の広島が3位から勝ち上がった巨人に快勝して、アドバンテージを含めて2勝とした。1点リードの4回には4番・鈴木誠也外野手(24)がポストシーズン47打席目で左翼席へ初アーチ。昨季は右足首骨折で出場できなかった2年ぶりの舞台で、若き主砲が躍動した。

 放物線を描いた打球が左翼席に吸い込まれるのを見届けると、鈴木は雄叫びを上げてポンと両手を叩いた。1―0の4回無死一塁で、試合の流れをグっと引き寄せる2ラン。メルセデスの初球、内角低め115キロのカーブをドンピシャで振り抜いた。

 「(大瀬良)大地さんが頑張っていたし、追加点が欲しい場面。後ろにつなごうという意識で入った。最高の結果になってよかったです」

 ポストシーズンで初の4番。ただ、これまでは大きなポテンシャルを秘めたまま、16年の日本シリーズを含む11試合で35打数5安打3打点と精彩を欠いていた。本来の打力を発揮する成否は「いかに早く雰囲気になじめるかどうか」。通算12試合47打席目での初アーチが、初戦に飛び出した意義は大きい。

 「一昨年(のCS)と比べると、楽しみの方が大きい。とりあえず、攻める気持ちを持ってやろうと決めていた。早い段階で一本出たので、気持ち的にも楽になります」

 短期決戦では悔しい思いをしてきた。CS初出場だった14年のファーストS第2戦で5打数無安打。合流したフェニックス・リーグでも好機で凡退し、就任直後で視察に訪れた緒方新監督に「おまえが打っていたら、今ごろは(ファイナルSの舞台の)東京ドームにいたのに」とハッパを掛けられたこともある。

 昨秋は右足首骨折のため、CSファイナルSを欠場。手術後の病床で、ナインが汗を流す姿を複雑な思いで見つめた。4番不在のチームも、DeNAに下克上を許した。「去年は悔しい思いをしていたので、大事なところで打ちたいと思っていた。打ててうれしい」。胸中に埋もれていた屈辱感、無念さ、悔しさ――。そんな情念を吹き飛ばす一発だった。

 「みんな、新井さんと最後までやりたい気持ちが強い。勝てればいい。それだけです」

 尊敬するベテランから重責を引き継いだ若き4番打者。24歳1カ月での「4番弾」は史上最年少記録となった。トンネルは抜けた。この先のポストシーズンでも大爆発の予感が漂う。 (江尾 卓也)

 ≪突破率95%≫公式戦1位の広島が先勝しアドバンテージの1勝を加え2勝0敗とした。プレーオフ、CSのファイナルSで2勝0敗は過去21チーム。うち20チームが日本シリーズに進出しており突破率は95%。昨年の広島が唯一敗れている。

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