阪神・矢野新監督 初仕事はFA上本慰留「残ってほしい」

[ 2018年10月17日 08:00 ]

阪神の矢野新監督
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 阪神・矢野燿大新監督(49)が16日、鳴尾浜球場を電撃訪問し、故障者特例措置制度によって国内フリーエージェント(FA)権を取得見込みの上本博紀内野手(32)を慰留した。

 15日の就任要請受諾から一夜明け、矢野新監督が電光石火の動きを見せた。午前11時半頃、鳴尾浜球場を訪れると上本と話し合いの時間を持ち「監督としては残ってほしい」と慰留した。

 「ポン(上本)はちょっと早めにね。(鳴尾浜に)いるというのは分かっていたからね。俺も今回こういうタイミングで、たまたま監督という役職になったけど。監督としての思いと、野球界の先輩として、というのが両方あるから。こう思うし、こうや、というのはポンに伝えた」

 一刻も早く思いを伝えたかった。ただ、押しつけることはしない。「監督」としては慰留し「先輩」としては助言も送った。「俺も自分がFAの時はすごく迷ったし、悩んだ。最後どうするかは上本次第やけど、俺の思いを伝えないと」と腹を割って話し合った。

 「俺も今年、ファームで(たくさん)走ったけど、やっぱり、スピード感、躍動感というのは、上本にはすごくある。使う側としては、そういう選手がいてくれることは、すごくありがたいから。チームにとっては、すごく必要なタイプ」

 強打も魅力だが、最も期待するのはスピード。今季ウエスタン・リーグ記録を更新する163盗塁の「超積極野球」を展開したように采配を振るう上で機動力を重視する。加えて、捕手経験者の視点から常に次の塁をうかがう動きを見せる上本のようなクセ者は厄介だった。目指す野球に必要なピースだからこそ惜しみないラブコールを送った。

 あとは上本本人の決断を待つのみ。すでにシーズン中から慰留を開始している谷本修球団本部長も「こちらとしては本人に誠意は伝えてあります。監督も話してくれたみたいですし、ありがたいです。なんとか残ってもらえるようにやっていきたい」と前を向いた。

 矢野新監督は上本慰留後は球団事務所で約2時間、球団幹部らと会議も重ねた。「なんか、いっぱいある。バタバタして大変や」。ドラフト、新助っ人…。ひとまず監督初仕事は終えたが、仕事は、まだ山積みだ。(惟任 貴信)

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2018年10月17日のニュース