阪神・藤原次期オーナー「待ちます」矢野氏への監督就任要請認めた

[ 2018年10月14日 08:14 ]

<巨・神>鋭い眼光でナインを見守る矢野2軍監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神は13日、矢野燿大2軍監督(49)に次期監督への就任を正式に要請した。揚塩健治球団社長(57)が秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」に参加中の2軍宿舎となっている宮崎市内のホテルを訪れ、約1時間半会談した。次期オーナーに内定している阪神電鉄会長の藤原崇起オーナー代行(66)は兵庫県内で取材に応じ、矢野2軍監督を最有力候補として初めて認め、吉報を待つ姿勢を示した。

 球団内での大混乱を象徴するような一幕だった。揚塩球団社長は午後2時過ぎ、他の球団役員や広報担当すら伴わず単身で宮崎入り。問いかけを振り切ってタクシーに乗り込み、追いかける報道陣と“カーチェイス”を繰り広げるように2軍が宿舎とする宮崎市内のホテルへ向かった。

 タクシーに乗ったまま地下駐車場に乗り入れ、人目を避けるように地下から部屋に上がったもようで、異様な緊迫感を漂わせた。親会社の阪神電鉄本社主導で進められた、事実上の解任とも言える11日の金本監督の電撃辞任。いかに秘密裏に、トップダウン型に行われたかを証明するような一連の動きだった。

 一方の矢野2軍監督はサンマリンスタジアムでフェニックス・リーグの巨人戦を指揮して2―1で勝利。試合後も練習を実施し、午後5時前に宿舎に戻った。球場では監督問題には触れず、先頭打者弾と決勝二塁打の江越について「初回はらしさが出ていたし、最後のもう一本が良かった。あの1打席だけで終わると1軍では出られない。身体能力はあるのだから、2、3本と続けることと球数を投げさせられるようになれば、凄い選手になる」と期待の言葉を残したのみ。その後、午後5時半ごろから宿舎内で揚塩社長と会談した。

 今回の交代劇を主導した一人の藤原次期オーナーは兵庫県内で報道陣に対応し、矢野2軍監督を次期監督の最有力候補として初めて認めた。「そういう風に見ているから揚塩が行っている。そういうことでしょう」。就任要請した交渉については「僕の方には何もありません。私の方は任せるというか。これは現場の鉄則ですから」とし「どういう風になるかわかりませんけど、はい、待ちます」と吉報を待つ姿勢を示した。

 約1時間半に及んだ1度目の交渉で結論は出なかったとみられる。会談後の揚塩社長、矢野2軍監督ともに取材応対はなく、ホテルロビーに詰めかけた報道陣には球団関係者を通して「今日は何もお伝えすることはできません」とコメントした。金本監督の辞任の経緯など矢野2軍監督にとっては不明瞭な点も多く、即受諾とはいかなかったようだ。

 《阪神・藤原次期オーナーに聞く》

 ――揚塩球団社長が矢野2軍監督に監督就任を要請した。

 私は任せる。阪神タイガースの揚塩君とか。まあ、きっちりした何か、今日の話は何か分かりませんが、そういうふうな形ができたら言うてくると思います。

 ――メドは?

 まだ言うてきてませんので、まあ、向こうで取材していただいてという格好になると思います。

 ――また話の機会は設ける?

 いや、それもどういう話かっていうのを聞いてませんので。ですから向こうで取材していただいて。

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