金本監督に聞く「巨人は3位でも辞めないといけない。僕は最下位」

[ 2018年10月12日 05:30 ]

球団事務所を後にする金本監督(撮影・北條 貴史)
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 【阪神・金本監督に聞く】

 ――辞意をいつ伝えたのか。

 「昨日(10日のDeNAと)の試合後に(揚塩健治)社長に辞意を伝えました」

 ――理由は?

 「成績不振です」

 ―どのタイミングから考えていた?

 「最下位が決まったぐらいですかね」

 ――揚塩社長の方からは?

 「もう少し頑張ってみては、と言われましたけど。僕の意志も固かった」

 ――育成に重きを置いた中で結果を出すのは難しいが、途中で辞任することには?

 「やり残したことは多々ありますけど、結果の世界ですから」

 ――育成も志半ばとなった。

 「それももちろんあります」

 ――昨年12月の星野仙一氏の野球殿堂入りを祝うパーティーで、星野氏は“あと2年辛抱してください”という発言もあったが。

 「何より最下位ですから。そこですね」

 ――誰かに相談はしたか?

 「してないです。全部一人で決めるので」

 ――長期的なスパンで(再建を)考えていたと思うが?

 「10年かかるところを5年以内でというのは僕の中でもぶれない目標であったけど、なかなか選手もケガとか伸び悩みもあって…。それも私たち現場の責任。選手たちは何とかと(したい)いう姿というか、うまくなりたい、レギュラーになりたいという姿勢を前面に出してやってくれたけど。あらためて育成というのはね。言葉が難しいな。出る選手は簡単に出るし(時間が)かかる選手もいるしね」

 ――(最下位が決定した8日ヤクルト戦の)神宮までは来年のことも考えていたか?

 「そうですね。まあでも、やっぱり神宮の最下位、そのころから最下位はやばいというのはあったからね」

 ――昨日(10日)の試合後に監督からあいさつがあったが、選手に直接報告されたというのは?

 「昨日のあれ(あいさつ)とは全く(関係ない)。辞める辞めないの深い意味はなかったけど。昨日は謝罪メインのあいさつだったけど。僕の中ではね」

 ――成績が伴わない中で周囲の雑音もあった。

 「それはタイガースの監督をやってる宿命ですから。(監督を)受ける前から覚悟の上でね。いろんな雑音の中でやっていくのがタイガースの監督ですから。それは特に気にならなかったですね」

 ――巨人・高橋監督の辞任も気になった?

 「でも、巨人は3位ですからね。もともとのスタートが高橋監督とは違うところがあった。でも、結果が問われるのが巨人、阪神ですから。巨人は3位でも辞めないといけない。僕は最下位ですから」

 ――選手、コーチには伝えたか?

 「まだ伝えてないですね。僕が呼んだ、頼んだコーチにはすぐに伝えましたけど。選手には誰も」

 ―坂井信也―オーナーと話はした?

 「まだできてないですね」

 ――(10日の)甲子園最終戦の前に辞意を伝える考えは?

 「なかったですね。僕も試合、最後、勝たないといけないというのがあったから。そこまで頭は回らなかったですね」

 ――監督にとって3年間は?

 「しんどかったですね。でも、若い選手が良い成績を残してくれた時は本当に嬉しかったし、逆に僕の方がワクワクしてね。このまま良くなってくれよとか。そういう楽しい思い出もある。藤浪がやっと完封してくれてね。こっちがワクワクしてね。よし、やっとつかんでくれたなとかね。そういう楽しさはありましたね。やっぱり」

 ――残る選手に伝えたいことは?

 「やっぱり何とか一緒にやった選手には一人前になってほしいし、競争だから全員レギュラーというわけにはいかないけど。我々が教えたことを肝に銘じて、それをもとに一人前になってほしいな。それはありますね。なんか寂しいじゃないですか。誰もレギュラーにならなかったら」

 ――3年間やって、今の若い選手はちょっと違うとか難しさはあった?

 「世間でよくいう今の子は、今の時代は、というのは、僕らが若い時もそう言われていましたから。今の子だから、こう扱わなくてはいけないとか、そういうのはうちの選手にはなかったですね。本当にみんなガッツがあって、素直に言うことを聞いてくれたりとか。僕はそう感じるんですけど。僕ら20歳のころは新人類と言われてましたから。そういうのは感じなかった」

 ――今後は?

 「何も決めてないですよ。ゆっくり疲れをとりたい」

 ――最後まで指揮を執る?

 「はい」

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