日本ハム上原 未完の大器そろそろお目覚め

[ 2018年10月10日 11:10 ]

4日の楽天戦に先発し、7回3失点で3勝目を挙げた日本ハム・上原
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 【伊藤幸男の一期一会】日本ハム・上原健太投手(24)の真価を問われる舞台が近づいている。ソフトバンクと対戦するCSファーストステージ(13日〜)、勝ち抜いた末に激突する西武との同ファイナルステージ(17日〜)だ。

 15年ドラフト1位、1メートル90の恵まれた体格&俊足に広島・広陵―明大と球歴も申し分ない。ただ入団4年間で通算4勝と華々しい戦績は残していない。

 首脳陣の期待値は高い。2年ぶりのCS進出を結果的に決めた9月27日のオリックス戦で、3カ月ぶりに先発させた栗山監督はもどかしさを隠しながら話した。「身体能力が優れていることは誰でも知っている。ずっと背中を押し続けているんだけどな。とにかく結果を出さないと…。あいつが25%、オレが残り残り3/4悪いのか。何してんだ、という感じ」。上原本人も危機感は共有していた。「ふがいない気持ちはあります。自分は立ち上がりがしっかり入れないから、そこは気をつけたい」。

 結果は5回0/3、5安打無失点で勝利投手。1週間後となる今月4日の楽天戦では自己最長の7イニングを投じ、3失点(自責2)と踏ん張った。首脳陣はCS先発へめどは立ったと見ている。

 ポストシーズンは「トラウマ」を克服する格好の舞台だ。10年ぶりのリーグVを飾った西武の象徴的ゲームとなった4月18日の日本ハム戦。終盤2イニングで7点差を逆転された発端は8回、2番手で登板もストライク欲しさに腕を振らなかった上原の消極的投球だった。尻に火がつく材料があった。16年ドラフト1位の堀瑞輝投手(20)も西武戦に先発&中継ぎで起用。チームは左腕に弱いと言われる「獅子おどし打線」への適性を見極めている。沖縄出身という大らかな性格の上原だが、闘争心に火が付いた。

 「CSでは全力で腕を振って打者と勝負したい」と上原。シーズン3位から下克上に挑む日本ハムの重要なピースとなる。

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2018年10月10日のニュース