阪神 「ドリス方式」でマテオと来季契約視野 

[ 2018年10月10日 05:30 ]

阪神のマテオ
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 「ドリス方式」再びだ。阪神がマルコス・マテオ投手(34)との来季契約を視野に入れていることが9日、分かった。近日中に帰国し、今オフには痛めている右肩の手術に踏み切る予定。球団はいったん保留選手名簿から名前を外す見込みながら、来季構想外ではなく、一昨年オフのドリスのように術後の経過を見守った上で、再契約を模索する方針だ。

 昨季7勝36ホールドの43ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手に輝いたマテオ。今季は5月ごろから長年の勤続疲労による右肩痛を発症し、17試合0勝1敗4ホールド、防御率6・75にとどまった。7月中旬以降は2軍暮らしが続き、昨季2位の原動力となった「勝利の方程式」の一角を欠いたチームも低迷を余儀なくされた。

 その右腕が今オフ、右肩クリーニング術を受ける予定であることが判明した。ということは契約は今季限り…と見るのが普通。だが違う。球団はいったん保留選手名簿からマテオを外す見込みながら、決して構想外というわけではないという。

 すんなりと最優秀中継ぎ右腕を手放す気はない。通算132試合8勝8敗、20セーブ、47ホールド、防御率2・80。右肩にさえ問題が無ければ実力があることは分かっている。日本で3シーズンを過ごした経験も貴重だ。これだけのセットアッパーは、簡単には見つからない。そこで、来季も戦力となる道を模索する。言うなれば、「ドリス方式」だ。球団関係者も「一昨年のドリス選手と同じように経過を見守っていく方針です」と話した。

 ドリスは16年に加入も、シーズン中に右肘痛を発症し、同年オフに手術。球団はいったん保留選手名簿から名前を外したが、その後もドミニカ共和国まで編成担当を派遣するなど術後の経過を見守った。そして翌春キャンプでテストした上で、再び契約を結んだ。その結果、同年シーズンでは不動の守護神として63試合に登板し、37セーブでセーブ王を獲得。今季も30セーブ以上をマークした。マテオに関しても、ドリスと同じ措置を取る。

 マテオは近日中に帰国後、早ければ今月中旬にも右肩クリーニング術を受ける予定。現在の見立てでは術後3カ月で投球練習が再開でき、5カ月で実戦復帰が可能という。カレンダーで言えば来年1月中旬に投球練習を再開し、開幕前の3月中旬には実戦復帰する見通しだ。十分、戦力としてのめどは立つ。

 阪神は今オフ、先発と中継ぎの新助っ人補強を目指しているが、その実力は未知数。そこで並行して、計算が立つマテオとの再契約も模索する方針だ。

 ▽ドリス再契約の経過 16年7月31日に右肘の炎症で登録抹消。9月24日に治療のためドミニカ共和国へ帰国し10月に手術を受けた。阪神はNPBへ提出する契約保留選手名簿からドリスを外して経過を見守り、17年1月に回復していることを現地で確認。2月16日から沖縄での春季キャンプに参加させ、同22日にテストを兼ねた紅白戦で153キロをマークしたことから正式に再契約。守護神として37セーブを挙げ、タイトルを獲得した。

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2018年10月10日のニュース