明大 努力の男・中村 4年秋に神宮初登板、1回3奪三振に最高の笑顔

[ 2018年10月6日 17:40 ]

東京六大学野球秋季リーグ戦第5週第1日   明大12―3東大 ( 2018年10月6日    神宮 )

4年秋のリーグ戦初登板で1回を3三振で抑えた明大・中村。ウイニングボールを手に笑顔
Photo By スポニチ

 点差は9点あった。明大最後の守りにマウンドに上がったのは中村希生(4年=仙台三)だった。3年の時、数試合ベンチ入りはしたが登板は初めて。善波達也監督が「ずっと努力してきた男。1度神宮のマウンドに立たせたいと思っていた」と送りだした。

 一塁応援席からもベンチ入りできない4年生が声を送った。「マウンドに立って声援が聞こえたので緊張もしなかった。投げる前は3者三振ならかっこいいなあと思っていた」と話した通り、東大の4番から3人をすべて空振り三振に仕留めナインから手洗い祝福を受けた。

 仙台からは両親らが応援に駆けつけていて「マウンドの姿を見せられて本当によかった」と最高の笑顔。ウイニングボールを渡され大事そうに銀紙に包みバッグに入れた。

 仙台三から一般入試で入学。「自分よりうまい人がいる環境でやってこなかったので入部して驚いた」とレベルの違いを痛感。違う道も考えたが、1学年上の斉藤大将(現西武)に可愛がられ「斉藤さんが面倒見てくれて、それなら頑張ってやろう」と黙々と練習に打ち込んだ。言葉は悪いが“記念登板”的な意味があったが「すばらしい結果を出した。打者に向かっていったし変化球もよかった。あすもベンチに入れます」と善波監督は中村の投球を絶賛した。

 法大、慶大に勝ち点を落とし秋は低迷する明大。努力の右腕が1イニング、14球に見せた執念の投球がナインのいい刺激になるのは間違いない。

続きを表示

2018年10月6日のニュース