さらば天谷…9回宙に舞って別れ「広島に来て本当に良かった」

[ 2018年10月5日 05:30 ]

セ・リーグ   広島0―4巨人 ( 2018年10月4日    マツダ )

<広・巨>引退する天谷はナインに胴上げされる(撮影・北條 貴史)
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 今季限りで現役を退く広島・天谷宗一郎外野手(34)が4日に出場選手登録され、巨人戦(マツダ)に「1番・中堅」で先発出場した。試合後の引退セレモニーでは涙ぐみ、9回宙に舞って17年間の現役生活に別れを告げた。試合は0―4で今季7度目の零敗を喫した。

 試合後の引退セレモニー。大歓声を浴びながら別れの言葉を紡ぐ34歳は、込み上げる涙を抑えられなかった。「広島に来て本当に良かった。家族のようなチームの一員になれて誇りに思う」。小窪から花束が贈られ、最後はチームメートの手で9度宙に舞った。

 「1番・中堅」で先発出場。初回の先頭・坂本勇の飛球を無難にさばき、その裏の先頭打者では菅野のカットボールに捕ゴロに倒れた。「ナンバーワン投手と真剣勝負できて、ありがたかった。捕ゴロもボクらしい」。2回の守備から退いた。

 必死に駆け抜けた17年間だった。攻守走そろうバイプレーヤー。「今やれと言われて、できるかどうか。当時の自分に“やってくれてありがとう”と言いたい」。10年8月22日のDeNA戦、右中間フェンスによじ登って本塁打性の打球を好捕したスーパーキャッチが記憶に鮮烈だ。

 代名詞とも言える驚異的なプレー。一方では、前のめりになって失敗も。それもまた天谷らしい態様。前ソフトバンクの川崎宗則氏から「アマハチ」という言葉を贈られた。天谷は8割ぐらいがちょうどいい、余裕を持て…という意味。以来ずっと心に刻んでいた。

 気持ちを前面に出すプレースタイルに心酔し、神と仰ぐ“師”は今春、病気のため現役を引退。くしくも同じ年に同じ道を歩むことになった。今回の決断に川崎氏からは「よく頑張ったな」とねぎらいのメールが届いた。

 「戦力になりたいと思って過ごしてきたけど、今年は1度も1軍に上がれず潮時と思った。野球小僧が大人になった様な、しょうもない選手だったけど、毎日が充実していた。感謝しています」

 緒方監督は「現役時代に一緒にプレーしてきた。自分の世界に入った時の爆発力が印象に残る」と称えた。記録よりも記憶に残る背番号「49」。不遇の時代を支えた選手がまた1人、惜しまれながらユニホームを脱いだ。(江尾 卓也)

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