プロ入り決断の金足農・吉田輝星 巨人、DeNA高評価 複数球団1位指名へ

[ 2018年10月5日 05:00 ]

金足農・吉田輝星投手
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 金足農の吉田輝星投手(3年)がプロ入りを決断したことが4日、分かった。吉田は両親、金足農の中泉一豊監督(46)との3者会談を行い、方針を決めた。この日までに進学先に予定していた八戸学院大に断りの連絡も入れた。甲子園を沸かせたスター候補のプロ入り決断で、25日に行われるドラフト会議では、最大の注目を集めることになる。

 関係者の話を総合すると、吉田は父・正樹さん(42)、金足農の中泉監督らと会談を行ったという。即プロ入りか、大学進学か。最終的には本人の意思が尊重されたもようだ。吉田は2日まで福井国体に参加し、翌3日に秋田の自宅に戻った。この日までに進学先に予定していた八戸学院大にも断りの連絡を入れた。

 高校最後の公式戦となった2日の福井国体の準々決勝、常葉大菊川(静岡)戦では、先発して自己最速を2キロ更新する152キロをマークし、5回4安打無失点で11奪三振と圧巻の投球を見せた。試合後の会見では「試合続きだったので全く考えてない。両親や監督などとも話して、後悔をしないような道を選びたい」と話していた。

 当初は八戸学院大への進学一本に絞っていた吉田だが、甲子園で全6試合に登板して881球、秋田大会から含め計1517球を投げ抜き、準優勝した。そして、高校日本代表として日の丸をつけて戦ったU18アジア選手権で、同年代のライバルたちの高い意識を肌で感じ取り、即プロ入りへと心境に変化が生まれたもようで、関係者にもプロへの憧れを口にしていた。

 両親と中泉監督はこれまで吉田に対して熟考する時間を与えてきた。一気に全国区のスターにのし上がったこと、大会続きであったこともあり、客観的に自分を見つめ直す時間を要した。周囲の大学進学を勧める声を含めて総合的に検討しても、吉田本人の意思は変わらなかった。

 11日がプロ志望届の提出期限となるが、早ければ、5日にもプロ志望届を提出する。吉田がプロ入りの意思を固めたことにより、各球団のドラフト指名戦略にも影響を与える。吉田本人も好きな球団に挙げる巨人、高卒ながら即戦力としても最上位に挙げるDeNAの評価は高い。東北に本拠を置く楽天も含め、25日のドラフト会議では、複数球団が1位指名に乗り出すことになる。

 小学校時代から両親に「俺はプロに行きたいのではなく、プロに行くから」と言い続けてきた吉田。近日中にプロ入り表明の会見を開くとみられる。

 ◆吉田 輝星(よしだ・こうせい)2001年(平13)1月12日生まれ、秋田市出身の17歳。小3時に天王ヴィクトリーズで野球を始め、5年から投手一筋。天王中では県ベスト4。金足農では1年秋からエース。今春は県大会を制し、夏の甲子園では準優勝。9月のU18アジア選手権で高校日本代表入りした。1メートル76、81キロ。右投げ右打ち。

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