大隣、上林に「何打ってんねん」 予想外だった後輩の早打ち…最後はガッチリ握手

[ 2018年10月3日 22:53 ]

パ・リーグ   ロッテ―ソフトバンク ( 2018年10月3日    ヤフオクD )

<ソ・ロ>登板を終えた大隣は花束を手にファンの声援に応える(撮影・岡田 丈靖)
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 試合後、テレビ取材を終えたロッテ・大隣と「引退登板」の相手を務めたソフトバンク・上林の帰宅時間が偶然、一緒になった。ヤフオクドームの廊下で偶然、出くわすと先輩・大隣は開口一番、後輩にまくしたてた。

 「何打ってんねん(笑い)。会心の当たりやんけ。もう少し、投げさせてくれやぁ。2球で終わってもうたやんけぇ」

 サッカーW杯で火が付いた「大迫はんぱねえ!」を連想させる関西弁に、周囲は爆笑の渦に巻き込まれた。

 慣れ親しんだヤフオクドーム。相手は古巣ソフトバンクという最高の花道だった。「ホームランを打たれても直球勝負したい」と語っていた通り、初回無死、1番・上林には全直球勝負。ただ、1ボールからの2球目137キロを完璧に右前打され、やりきった笑顔とともに「もう少し、球数投げたかった」と思わぬ早打ちだけは想定外だったようだ。

 ただ、マウンドには選手、井口監督が駆け寄り、一塁側からは工藤監督が花束を手に出てきてくれた。昨季までバッテリーを組んだ親友・高谷は号泣。2014年には国指定の難病・黄色靱帯(じんたい)骨化症手術から復帰し、日本一の原動力になった左腕。当時を知る客席からは敵味方関係なく「大隣コール」が降り注いだ。

 「何度も泣きそうだったけど、それは自分の性格じゃない。笑顔で終われてよかった」。こみ上げてくるものは寸前でこらえた。笑ったまま、マウンドにサヨナラを告げた。

 いじりすぎと思ったのか、最後は上林とがっちり握手し「頑張れよ!」と優しく、声を掛けた。「すっきりするヒットだった」と後ろ髪を引かれる思いを断ち切ってくれた後輩の一撃に感謝の言葉を添えた。通算52勝左腕は、この夜、ちょうど50敗目を喫し、ユニホームを脱いだ。

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