阪神・鳥谷、球団最多タイ2064安打!藤田平氏ねぎらい「よく頑張って来た」

[ 2018年10月3日 07:34 ]

セ・リーグ   阪神0―1広島 ( 2018年10月2日    マツダ )

7回無死、鳥谷は遊撃内野安打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 ついにたどり着いた。阪神の鳥谷敬内野手(37)が2日、広島戦の8回先頭で代打で出場し遊撃内野安打。通算2064安打目とし、藤田平氏(野球評論家)の持つ阪神在籍時での球団最多記録に並んだ。試合が0―1の惜敗に終わった中での唯一の光。3日の同戦にも新記録が誕生する。

 強く叩きつけた打球がホームベース前で大きく弾み、遊撃手・田中の前でもう一度、高く弾んだ。グラブをはじいた打球の判定は安打。球団最多安打記録に並ぶ鳥谷の2064本目は、しぶとく泥臭い内野安打だった。

 「あまりそこを目指しているというのもなかったし、打てるとも思っていなかったんで。良かったです」

 0―1の8回先頭の代打で登場し、変則右腕ヘルウェグの初球に反応。失策か安打か微妙な当たりだったものの、全力で一塁を駆け抜けた結果がメモリアルな一打となった。

 猛虎一筋、15年。クールでスマートな姿は誰もが知っている。ただし、阪神だけで2064本という数字は、この日のような泥臭い安打をコツコツ積み重ねてきたからこそだ。通算245本目の内野安打。天を仰いだり、バットを叩きつけたりすることはなくても、決して全力疾走は怠らない。ガッツポーズや雄叫びは珍しくとも、内に秘めた闘志と負けん気は人一倍。だからこそたどり着けた高みだった。

 並ばれた藤田平氏がその価値を1番分かっている。「並んだことはうれしく思う。体調面を整えて、ここまでよく頑張って来た。鳥谷の良さはまず選球眼。2年ぐらい前に『早く抜いて』と声をかけた。これからも記録を伸ばしていってもらいたい」とねぎらいの言葉を贈った。

 もっとも、チームは2戦連続の零敗という泥沼の中にいる。鳥谷自身、8月30日のヤクルト戦以来、1カ月以上スタメンから遠ざかっており、忸怩(じくじ)たる思いがないはずはない。球団新記録となる次の一打こそ、勝利を呼びたい。

 「そりゃあ、毎試合勝ちたいと思っていますし、打席に立ったら打ちたいんで。また頑張ります」

 球団史を塗り替えようとする選手がこのまま終わるはずがない。チームの勝利、そして自身の未来への1本を放ちたい。(山添 晴治)

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2018年10月3日のニュース