輝星152キロにあ然 漢人「アニメのような球」 常葉大菊川、金足農に完敗も悔いなし

[ 2018年10月3日 08:09 ]

福井国体・硬式の部準々決勝   常葉大菊川0―7金足農 ( 2018年10月2日    福井市営 )

<常葉大菊川・金足農>あいさつを終え、金足農の吉田と笑顔で話す常葉大菊川の(右から)奈良間、漢人、根来
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 常葉大菊川は金足農(秋田)との初戦(2回戦)に7回コールド0―7で完敗。“優勝”を逃し、3年生にとって高校最後の公式戦が終わった。

 台風24号の影響で大幅な日程変更を余儀なくされ、1勝して4強入り出来れば初の“1位”が確定した。しかし、勝負ごとは甘くない。終わってみれば国民的ヒーローに投攻守でお膳立てをしただけだった。意気込んで挑んだ今大会最初で最後の一戦は、吉田輝星投手(3年)から5連続を含む5回11三振を奪われて本塁も踏めずじまい。初回には中前に先制適時打を浴び、右翼の守備に下がった6回には、9番・神谷亮良中堅手(3年)の背後を襲う鋭い打球を好捕された。流れを持ってこれないまま7回の結末は、相手の専売特許であるスクイズ(記録は投前内野安打)を決められてのコールド負けだった。

 2回の第1打席で吉田の自己最速更新となった152キロの直球で見逃し三振を喫したエース右腕・漢人友也投手(3年)は「152キロなんて見えない。アニメのような球」とあ然。2打席連続空振り三振の9番・神谷も「振ってもボールの下にバットが入ってしまうし、変化球は消えていくようでした」とお手上げだった。

 それでもプロ注目の快速球に対し、臆せずフルスイング。たとえバットにボールが当たらなくても必死に食らいついた。東都大学リーグ1部の立正大に進学することを明言したU―18日本代表、主将の奈良間大己遊撃手(3年)は「改めて凄い投手だと思った。全ての面で完敗です」と日の丸の同僚を称え、「この3年生と一緒にやれて良かったです」と笑みを浮かべた。同じく日本代表で東都2部の国士舘大進学を明かした4番・根来龍真捕手(3年)も「あの球の伸びは今まで見てきた中で一番。大学生と対戦した時と比べても上。最後にこんな良い投手と対戦出来て良かったし、(美技も)一歩目が速い。出来る奴は出来る。悔いはありません」と脱帽した。

 最後はお互い健闘の握手と抱擁。「吉田の打席の時はめちゃ頑張りました」と2回に自己最速を5キロ更新する143キロをマークするなど5回6安打3失点でまとめた漢人は「負けるときはいつもこんな感じ。自分たちらしい」とおどけた。カクテル光線に照らされたピンストライプ軍団が福井でさわやかに散った。(小澤 秀人)

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2018年10月3日のニュース