中日・岩瀬が引退正式表明「これ以上迷惑を掛けるわけにいかない」

[ 2018年10月3日 05:30 ]

引退会見を前に一礼する岩瀬(撮影・椎名 航)
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 中日の岩瀬仁紀投手(43)が2日、ナゴヤドームで会見を開き今季限りでの現役引退を正式表明した。プロ野球最多407セーブ、1001試合登板など数々の記録を樹立した球史に残るクローザー。本拠地最終戦(日時未定)での登板を最後に球界最年長左腕が20年の現役生活に別れを告げ、ユニホームを脱ぐ。

 長きにわたり、勝ち試合で投げ続けてきた男のプライドだった。声を震わせ、時折、うつむきながら引退の理由を口にした。

 「去年、契約更改の時に“去年(17年)の数字より悪くなるようだったら引退する”と言った。今年の成績が去年より良くないのでこれ以上、迷惑をかけるわけにいかない。引退しようと決意しました」

 今季はビハインドでの登板が多く、ホールド数は昨季の26から9に激減。「勝ちゲームで投げる投手でありたい気持ちがあった」と守護神として一時代を築いた左腕にとっては屈辱だった。イニング途中で走者を残し、交代する試合も目立ち「今まではどちらかというとそこで出て行った方。人に任せて代わるという積み重ねがだんだん自分を苦しくしていった」と身を引く引き金となった。

 5度のリーグ優勝に07年の日本一と、中日の黄金期に中心選手としてチームを支えた。数々の記録やタイトルを手にしてきたが「タイトルよりも優勝したときの歓喜の輪にいることの方が一番うれしかった」。左肘の故障に苦しみ、16年夏に一度は引退を決意したが翻意して現役を続行。昨季はカムバック賞も受賞するなど、20年間の現役生活を振り返り「野球に対する心残りはないです」と胸を張った。

 この日、出場選手登録を抹消されたが「最終戦はしっかり投げたいと思います」と本拠地最終戦(日時は未定)での登板を予告。1002試合目がプロ野球生活の集大成となる。 (徳原 麗奈)

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2018年10月3日のニュース