「本質」と向き合う藤浪「メンタルに責任を持っていくのは、ただの“逃げ”」

[ 2018年9月30日 07:46 ]

セ・リーグ   阪神4―0中日 ( 2018年9月29日    ナゴヤD )

6回2死一、三塁、アルモンテを二塁ゴロに打ち取り、こぶしを握る藤浪(撮影・成瀬 徹)
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 阪神・藤浪晋太郎投手(24)が29日の中日戦(ナゴヤドーム)に5安打完封で自身3連勝とし、通算50勝目をマークした。完封勝利は16年6月2日楽天戦以来で通算6度目、今季は秋山に次ぐチーム2人目となった。打っても5回に中越えの適時二塁打を放ち、阪神投手では1977年の上田次郎以来、登板3試合連続長打をマークした。

 27個目のアウトを確認すると、藤浪はグラブをポンっと叩いた。苦悩の日々を乗り越え、掴んだ2年ぶりの完封勝利。こんな「藤浪晋太郎」を、誰もが待ち望んでいた。

 「調子自体は良かったですし、ボールも安定していた。守備に助けてもらいましたし、打線も打ってくれて、梅野さんにもしっかりリードしてもらった。なんとか、回りの人に『投げさせてもらった』という感じです」

 壁を3度、乗り越えた。2点リードの3回は1死三塁まで攻め込まれるも1番・平田を二ゴロに仕留め、京田は一ゴロ。自ら入ったベースカバーにセーフ判定が下ったが、リクエストで覆った。

 次は6回、2本の安打で招いた2死一、三塁のピンチでアルモンテを二ゴロに打ち取り無失点。そして、最終9回だ。1死一、三塁から代打の藤井をフォークで空振り三振、最後は亀沢を三ゴロに仕留めた。「全体的に意図通りというか、意図したボールが行っていた」。スライダーはコースギリギリに決まり、決め球のフォークは絶妙な高さから落ちた。結果も内容も伴った、今季最多の134球だった。

 逃げることなく、「本質」と向き合ってきた。長く続いた勝てない日々。周囲の“雑音”は、遠ざけようとしても耳に入ってきた。メンタルの問題じゃないか―。考え方を変えた方が良いのではないか―。いや、違う。

 「“メンタルの問題”というのは、技術、実力を極めた者同士が戦って、力が互角だった時に初めて言えることだと思うんです。結果が出ていない時にそこ(メンタル)に責任を持っていくのは、ただの“逃げ”」

 確固たる信念だった。思い通りに投げられない時期があれだけ続くと、「嫌でも気にしてしまいますよね…」と揺らぎかけた事もある。それでも、己を信じ、とことん技術、実力を磨いた。「細かい動作を確認しながら、バランス良く投げられるように」と明確なテーマを持ってフォーム作りに励んだ結果、感覚は少しずつ、研ぎ澄まされている。

 自身3連勝を完封という最高の結果で飾った。5回には中越えに適時二塁打を放ち登板3試合連続となる長打を記録し、攻守で勝利にけん引。プレー一つでチームの空気を変えられる。これが、藤浪晋太郎だ。(巻木 周平)

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