巨人・菅野 89年斎藤雅樹以来の今季7度目完封 3位浮上「かなりでかい」

[ 2018年9月29日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人1―0DeNA ( 2018年9月28日    東京D )

<巨・D>7回2死二塁、乙坂を空振り三振に仕留め、雄叫びを上げる先発・菅野(撮影・島崎忠彦)
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 巨人・菅野智之投手(28)が28日、DeNA戦で9回5安打無失点で14勝目。セ・リーグでは89年の斎藤雅樹(巨人)以来、球団最多タイとなるシーズン7度目の完封を飾った。0―0の9回に長野久義外野手(33)のサヨナラ弾が出るまで、絶対エースが我慢の投球。チームはCSを争うライバルとの直接対決を制し、再び0・5ゲーム差の3位に浮上した。

 12年ドラフト時に82キロだった体重は現在92キロある。プロ6年間で作りあげた菅野の頑丈な体の異変は明白だったが、マウンドに立ち続けた。

 「何もなかったわけじゃないけど、無理をしたわけでもない」

 0―0の7回2死一、二塁の打席。東からファウルで粘り、7球目を空振り三振。その直後に変調を見せた。ベンチで椅子にもたれて数秒間動けない。8回を無失点に抑えると右股関節を押さえるしぐさを見せた。9回にはトレーナーがマウンドに走る場面もあった。

 22日のヤクルト戦で133球完封し、中5日で迎えた大一番。9回2死二、三塁のピンチで乙坂を三飛に抑え、長野のサヨナラ弾を呼び込んだ。9回5安打無失点で14勝目だ。お立ち台では「打った瞬間は見ていなかった」と笑い、足の状態は「大丈夫です」と毅然(きぜん)と答えた。今季7度目の103球完封劇。セ・リーグでは89年斎藤雅以来、29年ぶりの大記録だ。

 ずばぬけて高い意識。「調子は良くなかった。調子が良くて完封するのは当たり前だと思う」。11月に開催される日米野球の出場選手にすでに選出。2年後の東京五輪を見据えての選考となったが、侍ジャパン・稲葉監督にはもう一つの狙いがあった。「菅野は若い選手のお手本になる」。若手に「野球観」を伝える役目も担う。

 チームが5戦全敗だった天敵、東との初めての投げ合い。「均衡した場面で凄いピッチャー」と感じた将来有望な左腕に、この日も投球で生きざまを示した。負ければDeNAに1・5ゲーム差でCS進出は黄信号になる中、高橋監督も「よく我慢というか頑張ってくれた」と称えた。3位浮上に菅野も「かなりでかい」と言った。

 自身の2代前の選手会長を務めた村田氏の来場が決まってから「勝たなきゃいけない」と思い続けてきた。試合後に握手を交わし「勝ってくれて良かった」と声をかけられたことも、ひとしおだった。

 体調面に問題がなければ、再び中5日で4日広島戦(マツダ)の先発が濃厚だ。現在計192回、189奪三振。球団では81年江川卓以来の「200回、200奪三振」も見えてきた。(神田 佑)

 《セでは89年斎藤雅(巨=7完封)以来29年ぶり》菅野(巨)が今季7度目の完封勝利。1―0完封は17年4月25日広島戦に次いで2度目。1―0サヨナラ弾で完封勝利はチームでは86年8月7日中日戦で槙原が記録して以来32年ぶり6人目だ。また、シーズン7完封以上は14年則本(楽=7完封)以来で、セでは89年斎藤雅(巨=7完封)以来29年ぶりになる。東京ドームでは今季6完封目。52年のフランチャイズ制施行後、巨人の投手で本拠地シーズン6完封は58年藤田、63年伊藤、70年渡辺の5完封を抜く最多記録になった。

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