禁じ手「遊撃」鳥谷も…阪神 29日にも自力CS消滅 3位巨人に4差

[ 2018年9月29日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―4中日 ( 2018年9月28日    ナゴヤD )

<中・神>8回1死、平田の遊ゴロを処理する鳥谷(撮影・椎名 航)
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 阪神は28日の中日戦で3―4の惜敗。借金が今季最多の13に膨らみ、12試合を残して2年ぶりのシーズン負け越しが決まった。3位・巨人とは4ゲーム差となり、29日にも自力でのクライマックス・シリーズ(CS)進出が消滅する中、金本知憲監督(50)は8回の守備で鳥谷敬内野手(37)を遊撃手で起用。禁じ手としていた「遊撃・鳥谷」を今後も使うことを示唆し、最後まで勝ちにこだわる姿勢を示した。

 荒木や岩瀬がプレーする度に歓声が巻き起こったナゴヤドーム。数でも声でも負けていた虎党が盛り上がりを見せたのが8回裏だった。表に代打で出場した鳥谷が守ったのは遊撃。16年9月2日DeNA戦以来2年ぶりの「遊撃・鳥谷」のコールに左翼席が沸いた。“禁じ手”を解禁したのは、金本監督の勝利への執念に他だった。

 「(植田は)代走もあるし。そういうのもあるし、ちょっと行ってもらいましたけど。最近、ノックでショートはやってますから。僕は(今後も)行ってほしいんですけどね」

 まさになりふり構わぬさい配だった。長く不動の遊撃手として阪神の象徴だった鳥谷を、不退転の決意で昨季三塁にコンバートさせた。大山の成長に伴い、今春キャンプ中には二塁手に再転向させたこともあった。かたくななまでに遊撃手では起用して来なかったが、現状の戦力で勝つために奥の手を切った。

 1死から平田の遊ゴロを軽快にさばいた鳥谷は「別にそんなに違和感はなかったです」と振り返った。指揮官の言葉通り、最近の試合前練習では遊撃でノックを受けており、今後も継続起用される可能性が高まった。

 好調だった北條が14日のヤクルト戦で左肩を亜脱臼。今季中の復帰は絶望的となった。若い植田は攻守ともに成長途上で、代走要員でもあることから、ここ6試合連続で森越が先発。ただ、打線のブレーキになるなど力不足は否めない。片岡ヘッド兼打撃コーチは「ケガ人が出たりしているんでね。いるメンバーでやってもらうということ」と説明した。

 試合は27日のDeNA戦に続く2戦連続の1点差負けで、今季の負け越しが決定。金本監督は「あしたやるだけです」と声を絞り出したが、29日にも自力でのCS進出がなくなる。限りなく厳しい状況でも、諦めることは許されない。あらゆる手を尽くし、最後の最後まで戦い抜く。(山添 晴治)

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2018年9月29日のニュース