広島 日本一シフト!龍馬プロ初一塁守った 短期決戦へ新オプション

[ 2018年9月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3―9ヤクルト ( 2018年9月27日    マツダ )

<広・ヤ>4回1死、田中からのワンバウンドの送球を好捕する一塁手・西川。右は井野(撮影・北條 貴史)
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 広島は27日のヤクルト戦に3―9で敗れたものの、優勝翌日から早速、短期決戦に向けての準備に入った。三塁守備に不安のあった西川を一塁でプロ初起用。これで、右手中指の骨折から復帰した安部との併用も可能となった。この日の試合前、球団職員の前で“共闘”を誓った緒方監督。34年ぶりの日本一に向かって、残り7試合を有効活用する。

 リーグ3連覇の余韻に浸る暇はない。悲願の日本一に向けて早速、布石を打った。優勝翌日のこの日、鈴木、菊池が休養で先発から外れた中、三塁の守備に不安のある西川が初めて一塁に起用された。その西川は、2回に星から右前打を放つと、9回にはウルキデスから左翼線への二塁打を放つマルチ安打と躍動。打率・313ながら、リーグワーストの17失策の守備力が原因で2試合連続で先発を外れていただけに、打棒を存分に生かす新オプションが加わった。緒方監督が見据えたのは、短期決戦だ。

 「今しかできない。(西川を)打順に入れたい。打撃は光るものがあるからね」

 これで右手中指の骨折から復活した安部との併用が可能となった。今季もこれまで、西川と安部が同時に先発したことはあったものの、「西川・三塁、安部・一塁」の組み合わせだった。安部と西川の守備位置を“交換”することで、赤ヘルの根幹といえる守備力に安定感がアップ。一塁に起用されてきた松山、バティスタとは違う走力を持たせる新打線を組むことも可能となる。この日は打球処理がなかったが、高校以来の一塁起用に西川は気持ちを新たにした。

 「経験です。違和感はありました。試合に出るためにいろいろとやっていかないといけない。一塁で打てれば、チャンスは出てくると思う」

 リーグ優勝決定の翌朝。緒方監督は鈴木清明球団本部長とともに、松田元オーナーのもとに優勝報告へと向かった。約30分間、終始和やかな雰囲気の中で、「苦しいチーム状況の中でよく頑張った」と称えられ、「朝からびっくりするぐらい喜んでもらえた」と笑った。さらに、指揮官は球団職員の前であいさつ。「日本一に向かってがんばりましょう」と球団一丸を求めた。

 昨季はクライマックス・シリーズ(CS)でDeNAに敗れ、日本シリーズにすら進めなかった。リーグ制覇ぐらいでは満足できない。34年ぶりの日本一に向けて、万策を尽くしてから短期決戦へと向かう。(河合 洋介)

 《安部好機生かす》西川との“併用プラン”に応えるように、安部もバットで結果を残した。3回1死満塁の好機で、フルカウントから星が投じた直球を一時同点の左犠飛とした。「作っていただいたチャンスだったので、食らいついていきました」。三塁での4度の打球処理も難なくこなして、新オプションを機能させた。

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