データから探る広島3連覇の秘密

[ 2018年9月27日 05:30 ]

セ・リーグ   広島10―0ヤクルト ( 2018年9月26日    マツダ )

<広・ヤ>胴上げされる緒方監督(撮影・奥 調)
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 広島が3年連続9度目のリーグ優勝を決めた。終盤もたついたものの、4月24日に単独首位に立ってからは一度もその座を譲ることなくゴールイン。他球団を圧倒した強さを投打のデータで探ってみた。 (記録課・宮入 徹)

 ☆投手陣の立役者 大瀬良はリーグ最多の15勝をマーク。防御率は2・53(リーグ2位)と自身初の3点未満が濃厚だ。1試合平均(9イニング換算)の被安打率はセ1位の7・06。昨年の8・84(リーグ10位)から大きく改善した。今季の大瀬良はマツダで8勝3敗。同球場では16年1勝0敗、17年4勝0敗となっており、3シーズン合計で13勝3敗と本拠地での好投が目立つ。また、3連覇中の通算勝敗は28勝10敗で貯金が18。野村の貯金20(32勝12敗)に次いで多い。昨年は10勝2敗、今季は15勝7敗でいずれも貯金8。3連覇中、広島の投手でシーズン貯金8以上を2度は大瀬良しかいない。

 ☆小刻み継投が奏功 今季の広島は投手起用が5人以下の試合では66勝52敗1分けで勝率.559。それが6人以上だと12勝3敗1分けの.800。7人以上だと4勝0敗と取りこぼしがなかった。セで6人以上の投手を起用し2桁勝利を挙げたチームの勝率としては98年横浜の.857(12勝2敗)に次ぐもの。小刻みな継投策で勝ちを拾った。

 ☆強力下位打線 広島のチーム打率は.265でリーグ2位。16年.272、17年.273と2年連続でリーグ1位を記録したが、今季は.267で1位のヤクルトに2厘差をつけられている。今季のチーム打率を先発1〜5番、6〜8番に分けると、1〜5番が.280で6〜8番は.281。過去2シーズンと違い、6〜8番が1〜5番を上回る。野間は6番で打率.328、7番で.338と下位で健闘。8月以降25試合、先発1番で出場している。また、今季3年目の西川は先発7番で打率.339、8番では.409と高打率をマーク。充実した下位打線が攻撃力に厚みをもたらした。

 ☆セ2球団目の3連覇 広島の3連覇は球団史上初めて。セで3連覇以上は、65〜73年の9連覇など5度達成している巨人に次ぎ2球団目となった。緒方監督は就任4年で3度の優勝。新人監督から4年で3度のVは水原茂監督<巨=(3)(1)(1)(1)>、上田利治監督<阪急=(2)(1)(1)(1)>、藤田元司監督<巨=(1)(2)(1)(1)>、森祇晶監督<西=(1)(1)(1)(3)>と並ぶ5人目の最多回数。また、緒方監督は現役時代に外野手。外野手出身で3度の優勝は10、11、14年の秋山監督(ソ)と並ぶ最多タイで、3連覇は初めてになる。

 ☆3年連続大差でゴール 16年は巨人と17・5ゲーム差、17年は阪神と10ゲーム差、今季はヤクルトと9・5ゲーム差と3年連続で2位チームに大きく差をつけた。過去に3年連続で2位に2桁ゲーム差をつけて優勝したのは65〜67年巨人のみ。広島が最終的に10ゲーム差以上つければ、51年ぶり2チーム目の圧勝記録になる。開幕からの首位在位日数は、16年が139日で全開催日191日の72・8%。17年は194日中、164日で84・5%、今季は181日中、173日で95・6%と年々アップしている。6月以降に限ると3シーズン合計で首位以外は16年6月4日(2位)だけだ。

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2018年9月27日のニュース