【広島・菊池手記】攻める守備は信念…打てない分、何倍も何百倍も守ってやろうと

[ 2018年9月27日 08:30 ]

セ・リーグ   広島10―0ヤクルト ( 2018年9月26日    マツダ )

<広・ヤ>ビールをかけられる菊池 (撮影・坂田 高浩)
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 優勝は何回経験しても格別だ。ただ、美酒の味は3回とも違う。一昨年は広島中が歓喜一色。何しろ、25年ぶりのVだった。昨年は追われる立場。マークされ、重圧もあった。個人的にはWBC後で体調面で苦しかった。今季は、前2年と違って打ち勝つ試合が多かった。輪の中になかなか入れず、個人的には悔しいが、勝てばうれしく、気持ちも和らぐ。チームで勝つことの喜びを、改めて深く感じる優勝だった。

 強さを実感する。7点差を逆転した8月23日のヤクルト戦が象徴だ。劣勢でも“このまま終われない”といった反発心、プライドが皆のどこかにあると思う。終盤は特に粘り強い。全員の思いが結集する一体感がある。

 勝ち続けるプレッシャーも、負ける怖さも感じない。全員がそうだと思う。自信。翌日には切り替えができている。4年前は違っていた。14年9月、首位・巨人と1差で臨んだ直接対決で3連敗し、やっぱり王者だ…と痛感した。今になって感じるのは「圧」。当時は目に見えない力にやられたが、今は逆になったのかもしれない。

 個人では反省が少なくない。総じて状態が上がらなかった。打てない分、二塁守備では何倍も何百倍も守ってやろうと思っていた。

 あれは7月20日の巨人戦。2点リードの7回無死一塁で、一、二塁間へのゴロを捕り、体を左回転させて二塁へ送球した。ただ、微妙にそれた。今季初失策。痛恨だった。結果的に追い付かれ、本当に申し訳ないと思う。

 でも、あのプレーに悔いはない。攻めた結果だから。そこが自分の中では一番大事だ。二塁でアウトにできたら、投手はどれだけ楽か。攻め切れれば、間違いなく楽になる。今季はここまで3失策。攻めなければ、シーズンゼロ失策の可能性があるかもしれない。でも、攻めない守備に何の価値があるのか。それは僕の信念だ。

 (投手陣に)四球が目立った春先は、またか…と思うこともあった。でも、野球は9人でやる競技。レギュラーが感情を表に出すと、チームじゃなくなる。二遊間寄りに守っているのは、投手の足元を抜けるゴロが多く、それをケアするためだ。チームが勝つために何ができるか。打てないなら、守りは絶対に――。今季は常に自問自答した。

 最後に、新井さん。個人ではなく、チームの勝利を最優先する姿勢は僕も含めて若手の手本だ。個人的にも助けられたことは数知れない。だからこそプレーオフを勝ち抜きたい。(石井)琢朗さん、河田(雄祐)さん(ともに現ヤクルトコーチ)の退団が発表されて迎えた昨季CSは、気持ちが空回りした。冷静に、かつ熱く燃えながら、日本一になって新井さんと一緒に喜び合いたい。 (広島東洋カープ内野手)

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