ドラフトまで1カ月 明大・渡辺佳のアピールは続く

[ 2018年9月25日 16:52 ]

明大・渡辺佳
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 プロ野球のドラフト会議は、1カ月後の10月25日に行われる。毎年、様々なドラマを生んでいるが今年のプロ志望届を提出した選手の中で注目を浴びている1人が明大の渡辺佳明内野手である。

 祖父は横浜高校を5度の日本一に導いた元智氏(73)。物心ついた時から横浜グラウンドで遊び、松坂らの活躍を見てきた。高校進学の際は「体が小さいから横浜ではレギュラーは無理。公立校に行け」という祖父の言葉に反発。「横浜に行けないなら横浜隼人か東海大相模に行く」と祖父の痛いところを突く“作戦勝ち”で横浜に入学した。

 1メートル70には足りなかった身長も高校で1メートル75を超えレギュラーを獲得。渡辺佳が2年のとき、横浜球場で行われた桐光学園戦で松井裕樹(現楽天)から左前打を放った打撃を明大・善波達也監督が観戦していた。「松井君のスライダーを左(打者)の佳明がきっちり捉えた。イチ、ニ、サンでは打てないスライダー。あの打撃センスに惚れた」と明大進学を勧め神宮球場がホームグラウンドになった。

 1年からリーグ戦に出場、レギュラー三塁手となった2年秋にはベストナインを獲得。3年秋にも2度目、そして遊撃手に転向した今年春には3度目の受賞となった。「初めは不安。とにかく守備から入りました。やることは三塁に比べものにならない。でも、打者に応じて守備位置を変え、はまったときは最高に気持ちいい。3割も打てて、三塁手の3割と違って価値があると思った」と渡辺佳はある程度の手応えをつかんだ。

 そしてラストシーズン。プロ志望届の公示日をリーグ戦開幕日の9月8日に選んだ。社会人野球チームの誘いもすべて断った。「ドラフトの結果で(社会人の会社に)待ってもらうのは失礼。だからプロ一本で臨みます」と相当の決意でリーグ戦に向かった。明大は法大、慶大に勝ち点を落とし優勝は厳しい状況となった。その中、渡辺佳は6試合で22打数12安打の打率・545と3週を終わって打率部門でトップに立っている。通算安打も現役首位の86安打(打率・313)。100安打も不可能な数字ではなくなってきた。

 「秋の目標は出塁30。安打が15本なら四球で15個。とにかく出塁してチャンスを作る。チームが勝ててないけど、勝てるよう1打席を大事にしていきたい」

 本塁打がないことから「長打力がないのがね」と言うスカウトもいるが、広角に打てる技術は一級品。今秋、12安打中左投手には9打数5安打と“左対左”も苦にしていない。

 今週は試合がなく10月6日からの第5週から東大、早大、立大と3週連続で試合が組まれている。リーグで32人しかいない100安打、そして4度目のベストナインへ。明大の全日程終了後に行われるドラフトに向け渡辺佳のアピールは続く。

 ◆渡辺佳明(わたなべ・よしあき)1997年1月8日、横浜生まれの21歳。横浜では2年夏、3年春に甲子園に出場。明大に進学、2年からレギュラーとして出場。三塁で2度、遊撃で1度ベストナイン。侍日本学生代表に2年連続で選出された。横浜野球部の寮母を20年間務めた母・元美さん(47)がこのほど「横浜高校野球部 食堂物語 甲子園 連れて行きます!」(徳間書店)を上梓した。

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