平野が打ち立てた金字塔 でも上には上が…メジャー唯一の100試合登板投手とは

[ 2018年9月25日 10:00 ]

ダイヤモンドバックス・平野(AP)
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 ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手が19日、カブス戦で日本投手のシーズン最多登板記録に並んだ。04年の大塚晶則(パドレス)、13年の上原浩治(レッドソックス)に並ぶ73試合登板。メジャー1年目から金字塔を打ち立てた。

 「一番目標としている」数字だという登板数。首脳陣の信頼と自らのタフさの証しといえる。オリックス時代も馬車馬のように投げてきた印象が強いが、11年の自己最多72試合登板も更新した。

 ほぼ2試合に1度投げてきた計算だが、上には上がいるものだ。大リーグのシーズン最多登板は1974年のマイク・マーシャル(ドジャース)。106試合に登板した。長い歴史上唯一の100試合超えでもある。

 マーシャルはこの年、15勝12敗21セーブ、防御率2・42でリーグ最多セーブ。全て救援ながら208回1/3と規定投球回(162回)を楽々とクリアした。この投球回数も中継ぎシーズン最多記録。そして中継ぎ投手として初めて、サイ・ヤング賞を受賞した。

 現役時代からミシガン州立大で運動科学を学び、後に博士号も取得した。「それらの知識が私のキャリアを助けてくれた」と語り、自身の公式サイトでその術を余すことなく公開。75歳の今でもメールの問い合わせを受け付けている。

 当時チームメートだったトミー・ジョンが右肘手術のリハビリ中にも、何度も助言し指導したという。ジョンは前例のない手術後、164勝を挙げる復活を遂げた。奇跡の復活劇でトミー・ジョン手術は一気に広がったが、その一端を担っていたのかもしれない。

 マーシャルは前年の73年にも92試合に、79年にも90試合に投げた。大リーグ史上90試合以上登板はのべ9回あるが、うち3回がマーシャルによるものだ。

 なお日本プロ野球のシーズン最多登板は07年久保田智之(阪神)の90試合。それに次ぐのが05年藤川球児(阪神)の80試合で、80試合以上登板はその2回だけ。シーズン試合数の増減次第ではあるが、マーシャルも久保田もその突出具合から、アンタッチャブルな記録の一つに違いない。(記者コラム・後藤 茂樹)

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