阪神・鳥谷 代打タイムリー2063安打目 藤田平の球団記録にあと1

[ 2018年9月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1―2巨人 ( 2018年9月23日    甲子園 )

<神・巨>7回、代打・鳥谷が中前適時打を放つ。右は悔しがる上原(撮影・成瀬 徹)    
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 原口が故障で不在の中、阪神・金本監督が選択した“切り札”は鳥谷だった。1点を追う7回2死一、三塁。最大の好機で代打を託された。「何とかつなごうという意識だった」。いつも以上に鋭く真剣なまなざし。逆転でのCS進出を目指す上で大事な一戦だということを分かっていた。

 「自分の打席に集中して初球から積極的に振りにいきました。終盤のチャンスで試合を振り出しに戻すことができて良かったです」

 通算53打数11安打で打率・208と分の悪かった上原との勝負に攻めの姿勢で立ち向かった。初球は内角高めの直球をファウル。1球で仕留めることには失敗しても、2度続けての打ち損じはなかった。

 代名詞のフォークを想定しながらも内角やや低めの直球に反応。コンパクトなスイングで中前へはじき返し、三塁走者・梅野を同点の本塁へ迎え入れた。通算2063安打へと積み上げ、藤田平の持つ球団記録に王手。殊勲の一打でゼロ行進も止め、代走を送られて交代した。

 15年目の今季は出場110試合のうち先発は45試合だけ。代打を中心とした途中出場が格段に増えた。特に同じ三塁を守る大山が9月に劇的に復調したこともあって8月30日のヤクルト戦を最後に先発出場がなく、いつ来るか読めない出番に備える日々だ。試合前練習では自らの意思で遊撃に就いてノックを受けるなど有事への準備にも取り組む。

 今季48安打目で、2年目からのシーズン100安打以上が13年連続で途切れることは決定的。1年目の59安打を下回る自己最少の可能性さえある。数ではない。どの場面で、どう打つか。1本の価値を追求する立場になった。「また明日も頑張ります」。帰り道で最後に残した言葉をベテランは結果で示すつもりだ。(山本 浩之)

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2018年9月24日のニュース