阪神 広島に4年連続負け越し 赤い壁を越えぬ限り優勝は絶対ない

[ 2018年9月22日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―7広島 ( 2018年9月21日    マツダ )

<広・神>8回、新井(背番号25)の適時三塁打にぶ然とした表情の金本監督(右)(撮影・北條 貴史)
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 阪神は21日の広島戦に3―7で敗れて広島に対して4年連続の負け越しが決定した。8年連続だった84〜91年以来の屈辱。3点先行から7回に追いつかれ、なお2死一、二塁から植田海内野手(22)の適時失策で決勝点を許した。2日連続の雨中戦は2度の中断の末に3連覇目前の王者に力負け。来季の優勝奪回には打倒広島がやはり不可欠だ。

 雨に泣いた一戦だった。1点差を追いつかれた7回、なお2死一、二塁から松山の三遊間へのゴロに植田は追いついていた。ぬかるんだ土の影響による打球速度の微妙に変化に対応しきれず後逸。左翼前へ転がる間に二塁走者・丸に決勝の生還を許した。代打で出た福留に代わって6回裏から遊撃に就いた植田にとっては痛恨の失策となり、金本監督は肩を落とした。

 「四球が2つにエラーだからね…。ちょっと1点差にしてはね。しんどかったかなと」。荒れたグラウンド状況についても「(条件は)同じだから」と言い切り、守備力を期待して起用する植田のミスを「やっぱり後ろにそらしてはいけないわね。同じエラーでも…」と嘆いた。

 東京からの移動試合だった前夜は雨による1時間9分の開始遅れに加えて2度にわたる計1時間13分の中断もあり、日付も変わった午前0時3分に決着。1点差で懸命に競り勝った。激闘の疲労が抜けきらない中で迎えた2日連続の雨中戦。再び試合前から秋雨が降りしきり、グラウンド状態は最悪でも3回の3点先行が効いて中盤までは優勢だった。

 6試合連続で先手を奪いながら暗転した7回。2番手で能見を投入したところで雨脚は一段と強まった。5球で簡単に2死を奪った後、菊池と丸に対して連続四球。2度の暴投も絡んで一、三塁を招いた後、さらに継投した桑原が鈴木をカウント1―2へ追い込んだ後、外角スライダーを拾われて左前へ同点打を浴びた。直後、植田に失策が出て勝ち越された。

 6連戦の3戦目。能見も桑原もともに連投でつぎ込んだ逃げ切り策が決まらず、8回には致命的な3失点で突き放された。8回表の開始前に11分、9回表の開始前に20分。2度の中断はいずれも阪神の攻撃前で、反撃にも水を差された。広島に対しては4年連続の負け越しが決定。「あっ、そう」。指揮官は厳しい現実に反応するだけで精いっぱいだった。逆転CSからの雪辱を期す今季だけではない。打倒王者は来季の猛虎に課せられた命題だ。(山本 浩之)

 ▽阪神、近年の広島戦

 ★15年=8勝15敗2分け 5月8〜10日に甲子園では04年以来11年ぶりとなる3連戦全敗。07年以来8年ぶりのカード負け越しを喫した。

 ★16年=7勝18敗 7月23日にマツダ5連敗&カード9連敗で早々と負け越し(4勝13敗)が決定。同日は黒田に日米通算200勝目も献上。シーズン18敗中10度が逆転負けだった。

 ★17年=10勝14敗1分け 5月6日の甲子園では球団記録9点差逆転勝ちの快挙の一方、9月5、6日のマツダでは2試合連続サヨナラ負け。18日の甲子園敗戦で広島のV2を許す屈辱。

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