イチ、大谷に“新二刀流”提案 投打1年ごと専念で夢のWタイトル

[ 2018年9月18日 06:30 ]

試合前、イチローとあいさつを交わす大谷(左)(撮影・会津 智海)
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 マリナーズのイチロー球団会長付特別補佐(44)が16日(日本時間17日)、エンゼルスとの今季対戦を終えたタイミングで、スポニチ本紙を通じ大谷翔平投手(24)に情愛あふれるエールとメッセージを送った。右肘に損傷が発覚し、今後の動向が注目される大谷だが、メジャー通算3089安打のレジェンドは「真の二刀流」として本塁打王とサイ・ヤング賞の獲得が可能だと見ている。

 今季19試合のエンゼルスとの対戦を全て終え、大谷の投打のパフォーマンスを確認したイチローは「ポテンシャルについてはまさに言わずもがな、でしょう」と切り出した。

 マリナーズ戦では投手として5月6日に先発し、6回0/3を2失点で勝利投手。最速は99・5マイル(約160キロ)を記録した。打者としては43打数10安打(打率・233)ながら今月15日には1年目の日本選手として初の20号本塁打を放った。

 メジャー18年間で「次から次へと出てくる」と、若く才能あふれる選手の出現を表現したイチローだが、その目にも大谷に勝る才能の持ち主は皆無に映った。だからこそ、自身の考える「真の二刀流」を期待する。

 「個人的な興味としては、ピッチャーとバッター、それぞれを年間通して見てみたい。サイ・ヤング賞をとった翌年にはホームラン50本で本塁打王。そんな空想でもしないことを現実にできる可能性のある選手が、この先の未来に出てくるでしょうか?」

 世界歴代最多の日米通算4367安打を放ち、「最低でも50歳」までの現役を目指している。既存の概念を覆す先駆者にしか思い描けない新たなる二刀流。その提言は、常に人のできないことを目指し、実践してきた大谷の価値観にも重なる。

 「もちろんそれは才能だけでは不可能でしょう。僕が見る限り、翔平にはその才能を磨いて生かす才能が備わっているように思います。実はほとんどの選手にそれが備わっていないのです」

 44歳の天才打者と24歳の才能あふれる若者は、己の志を貫き通す「孤高」の2文字でつながる。戦ってきた歳月は違えど、歩み、戦ってきた道のりは同じだ。イチローにはそれが分かる。

 「人と違う道を行くのは常に困難がつきまとうものですが、翔平ならきっとそれをも越えていくのでは、と期待しておきます」

 情愛に包まれたメッセージ。大谷ならば深い部分で理解できるだろう。真の二刀流へ。イチローの言葉は温かく、優しく、期待に満ちあふれていた。(笹田幸嗣通信員)

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2018年9月18日のニュース