巨人・杉内が明かしたベンチ殴打骨折の“その後” 再起に導いた王貞治氏の言葉

[ 2018年9月17日 10:00 ]

04年6月1日ロッテ戦、杉内は2回で7点を失い、悔しさのあまりベンチでイスを殴りつけるなど大暴れ(中央)。城島(左)に制止される
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 巨人・杉内俊哉投手(37)が12日、今季限りでの現役引退を表明した。都内ホテルで開いた引退会見。「僕の野球人生は、決して順風満帆ではなかったと思います。たくさんの失敗をして、怒られて、過ちを犯して、何より、投げるのが恐くて、眠れない日々も過ごしました」。このあいさつから約35分間、自身のプロ生活を振り返った。

 あのシーンを思い出すファンも多いだろう。ダイエー時代の04年6月1日ロッテ戦。2回で7点を失い、悔しさのあまりベンチのイスを両手で殴打。「両手の中手(ちゅうしゅ)骨骨折」と診断され、長期離脱を余儀なくされた。杉内は会見で「その後」を明かしている。

 自責の念にかられる中、当時の王貞治監督からは「杉内はそういう闘志がある」と声をかけられたという。「また次のチャンスを与えようとしてくださった。そのおかげで今の僕があると思う」と、今でも感謝の気持ちがある。翌05年に自身最多18勝を挙げ、沢村賞を獲得したから凄い。プロ17年間で通算142勝。闘志あふれる投球で、勝ち頭として球界をけん引してきた。

 15年オフに右股関節の手術を行い、近年は左肩痛にも苦しんだ。ファームで若手と過ごすうちに「心から後輩を応援するようになった。勝負師として違うかなと思った」というのが、引退を決断した理由。涙をこらえ、声を詰まらせながらそう言ったのが印象深かった。(記者コラム・神田 佑)

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