広島・会沢 65年ぶり更新!球団捕手年間最多13号

[ 2018年9月10日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3―4中日 ( 2018年9月9日    ナゴヤD )

<中・広>6回1死、会沢は左越えソロを放つ(撮影・椎名 航)
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 広島・会沢が9日の中日戦(ナゴヤドーム)で6回に13号ソロを放ち、1953年に門前真佐人が記録した球団捕手の年間最多本塁打を65年ぶりに更新した。同点弾は実らず今季ワーストに並ぶ2度目の5連敗。中日戦の3年ぶり負け越しが決まったが、ヤクルトが敗れ優勝マジック9。リーグ3連覇へのカウントダウンは1桁へ入った。

 やられたら、バットでやり返す。会沢は4回に左腰付近に死球が当たった鬱憤(うっぷん)を思いっきりぶつけた。自らの悪送球も絡んで勝ち越された直後の6回だ。1死から鈴木翔のカーブを完璧に捉え、左翼席へ同点の13号を放り込んだ。

 「塁に出ようと思っていた。これ(死球)は仕方ないことだからね」

 2日連続の死球だった。前日8日は8回2死二塁で代打出場し、ロドリゲスの投球を左膝付近に受け、崩れ込んでもん絶した。一夜明けて先発出場。2回2死三塁で迎えた最初の打席では、すっぽ抜けの初球が頭上を通過して倒れ込んで避ける“伏線”もあった。熱くならず、冷静に四球を選んでも、黙って引き下がるわけにはいかなかった。

 13四球はヤクルト・青木の17、同僚・田中の14に次ぐリーグ3番目の多さ。3人のうち1人だけ規定打席未満の事実が捕手として体を張ってきた証拠だ。8月16日の阪神戦ではドリスからの頭部死球で3試合にわたって欠場。「怖がっていたら、この世界ではやっていけない」と果敢に踏み込み、打率3割超えの強打を生んできた。

 球団捕手として年間最多本塁打を65年ぶりに更新。「意識していなかった。自分のスイングをしようと思っている」。アザだらけの体で赤ヘル史上最高の“打てる捕手”の称号を手に入れた。

 もちろん、女房役としては今季最悪に並ぶ5連敗に表情は晴れない。最下位の中日に今季2度目の同一カード3連敗。3年ぶりの負け越しも決まった。昨季はDeNA、今季は中日。2年続けて“セ界完全制覇”はならず、緒方監督は「紙一重だった。勝敗に関係なくしっかり反省してやっていく。気にすることなく広島に帰って一戦一戦やるだけ」と切り替えを強調した。リーグ3連覇を目前にした小休止。本拠地に戻って、もう一度仕切り直せばいい。(河合 洋介)

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2018年9月10日のニュース