球児 700試合登板 山本和行に並んだ虎最多「良い人生ですね」

[ 2018年9月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8―3DeNA ( 2018年9月1日    甲子園 )

<神・D>通算700試合登板を達成し、花束を掲げる藤川(撮影・坂田 高浩)
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 輝きを放つ「節目」を迎えても、阪神・藤川は感慨に浸ることはなかった。1日のDeNA戦(甲子園)でNPB通算700試合登板を果たし、真っ先に口にしたのは、その背に注がれる声援への感謝だった。

 「(700試合は)何とも思わないですけどね。(虎投が埋める)ライトスタンドとか、そこへの感謝が大きい。良い成績を出さないといけいないとか、プレッシャーをもらいながらね。(気持ちの)張りがあって、良い人生ですね」

 かつての絶対守護神は、今もチームの勝敗を左右する重要な局面で身を削る。プロ17年目で到達した700回目のマウンドも2点リードした7回、中軸を迎える状況だった。先頭・ロペスを中飛に仕留め、筒香も左飛。最後は佐野を右飛と、すべて直球でアウト3個を奪い、いつも通りに仕事を全うした。

 700試合登板はプロ野球16人目で、山本和行に並ぶ球団最多。そんな快挙も「個人的に興味はない数字というか、目標でもない」と力強く首を振る。「“積み重ね”はあまり好きな言葉じゃない」と言い切る右腕にとって、託された1試合を全力で投げきり、声を枯らすファンに勝利を届けることが、使命。お立ち台では「たくさんのファンの方に喜んでもらって、それが一番」と表情が緩んだ。

 ブルペンでは岩崎ら経験の浅い若手に助言を送り、遠征先ではドリス、ロサリオの助っ人勢やトレーナー陣と食事をともにする。すべては、胸に刻むチーム一丸の思い。だからこそ、低迷するチームの現状に、深くうなずき、言葉をつないだ。

 「重要なのは、気持ち的なところ。メンタル的に全員が一緒に落ちないように。明日は若い選手が活躍してくれる。今日は福留さんが打ってくれたので。それでチームが乗っていかないと」

 欲しいのは「次の1勝」。それだけを求めて背番号22はまたマウンドへ向かう。

 ≪山本和行に並ぶ球団最多≫藤川(神)が1日のDeNA戦に登板し通算700試合登板を達成した。プロ野球16人目。初登板は00年3月31日の横浜戦。歴代最多登板は岩瀬(中)の994試合だが、阪神では山本和行の700試合に並ぶ球団最多記録になった。また、大リーグでも29試合に登板しており、日米通算では729試合登板になる。

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