輝星 解禁!ギアMAX 韓国戦先発も「簡単にはいかない」

[ 2018年9月2日 06:10 ]

砲丸投げのフォームでメディシンボールを投げる吉田(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 U18アジア選手権(3日開幕)に出場する高校日本代表は1日、サンマリン宮崎で練習を行った。日の丸デビューから一夜明けた吉田輝星投手(3年=金足農)はノースローで調整。注目を浴びた「侍ポーズ」は、大会関係者から自粛することを求められたが、投球スタイルは「侍モード」へ突入。持ち味のギアを解除し、フルスロットルの全力投球でアジアの頂点を目指す。

 流れる汗も心地いい。吉田は40分間、黙々と走った。体の連動性を上げるため、「いつもより多く走りたい」と志願。巨人の09年リーグ優勝タオルを握りながら汗を流した。

 「今日は投げないと決めていた。(巨人のタオルを使ったのは)たまたまです」。巨人ファンを公言する右腕は、17歳らしい笑みを浮かべた。

 前夜は甲子園決勝以来10日ぶりのマウンドで149キロを計測。「久しぶりだったので少し疲れが残っているけど、状態は悪くない」。手応えをつかんだことで気持ちは「侍モード」に切り替わった。これまで先発完投を心掛けてきたが、「(ここからは)簡単にはいかない。抜いた直球を投げないなど対応力が必要」とリミッターを外す秘策を口にした。

 今大会では球数制限105球が設けられるが、「大丈夫。そのくらいなら持つ」と立ち上がりから全力投球を宣言。金足農では走者なしなら140キロ前後の「ギア1」、走者が一塁もしくは三振が欲しいときは145キロ前後の「ギア2」、得点圏に走者がいるときは150キロ近くの「ギア3」と出力を調整してきたが、「そのくらいやらないと韓国や台湾は抑えられない」と力を込めた。

 一方で、刀を抜く「シャキーン」の侍ポーズは封印する。国際大会のため「相手を侮辱する行為になりかねない」と大会関係者から自粛を要請された。甲子園では一度禁止されるも強行したが、今回ばかりは「ベンチの裏でやります」。ルーティンは試合前にひそかに行って気持ちを高める。

 永田裕治監督は「(表情が)全然変わった。テンションが上がった感じ」と吉田の姿に目を細める。5日の1次ラウンド・韓国戦での先発の可能性もある。「今までは疲れている状態が普通だと思っていた。甲子園より状態は良い」。アジアの頂点を目指すエースの気持ちも高ぶってきた。(武田 勇美)

 ▽U18アジア選手権での球数制限 今大会から新たに導入された。一人の投手が投球可能な球数が105球と定められ、それ以上投じた場合は中4日の休養が義務づけられている。上限に達した場合、対戦中の打者には最後まで投げられる。また、50球以上投げた投手は必ず中1日空けなければならない。球数にかかわらず3日連続登板すると、4日目の登板は認められない。

続きを表示

この記事のフォト

2018年9月2日のニュース