巨人メルセデス“ハイブリッド”の輝き!初完封&初安打で4勝

[ 2018年8月25日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―0阪神 ( 2018年8月24日    東京D )

2回2死、メルセデスは中谷から空振り三振を奪う(撮影・大森 寛明)
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 投げて、打って、巨人のクリストファー・メルセデス投手(24)が輝いた。24日の阪神戦で二塁も踏ませない2安打の来日初完封を飾り、4勝目。4回には来日初安打の適時二塁打で2点目を叩き出した。球団初の育成出身選手の完封勝利で、チームはヤクルトを抜いて2位に浮上した。

 初めての本拠地のお立ち台。メルセデスは満面の笑みで、声援に右手を上げて応えた。「スーパーがたくさんつくほどうれしい」。9回2死。糸井を130キロのスライダーで右飛に打ち取る。球団では育成出身選手の完封は史上初の快挙だ。

 「野球は90%がメンタル、10%が技術」が持論だ。12〜15年にレイズ傘下でプレーした頃のコーチの教えを今も心に留めている。8月2日DeNA戦で初完投勝利を挙げるも、その後2連敗。「引きずらないことが一番大事」と休日には睡眠や映画観賞でリフレッシュ。あえて「忘れることに専念」した。

 この日も切り替えが光った。5回まで無安打投球。6回先頭のナバーロに初安打を許したが、引きずらなかった。続く植田の送りバントを素早く処理し二塁アウト。右打者の内角を攻め続け、113球で2安打零封した。

 活躍は投球にとどまらない。高橋監督を「びっくりした」と言わしめたのが打棒だった。投手には珍しく、野球を始めた頃からスイッチヒッター。母国ドミニカ共和国の英雄、左打者のロビンソン・カノ(マリナーズ)と右のマニー・ラミレス(元レッドソックス)の2人に憧れ、打撃フォームをまねてきた。1―0の4回2死一塁は左打席で、左中間に適時二塁打を放った。

 「自分でもまさかとびっくりした。(いつ以来の安打か)覚えていない」。日本では18打席目での初安打。直前には大城の右翼ポール際へ飛球が、審判団のリプレー検証で本塁打からファウルへ判定が覆った後だっただけに、チームにとって大きな一打だった。

 投打でチームを2位に浮上させた。リズムの良い投球が持ち味。4勝目を挙げた左腕は目標を聞かれ「試合に勝つことだけ」と投球のようにテンポ良く答えた。 (岡村 幸治)

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