ダル、故障原因判明に「本当にホッとした」キャッチボール再開は「12月あたり」

[ 2018年8月25日 05:30 ]

カブスのダルビッシュ(AP)
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 カブスのダルビッシュが23日(日本時間24日)、本拠地のシカゴで右肘故障のため今季絶望となってから初めて取材に応じ、約30分間に渡って今季の苦悩を赤裸々に語った。

 「本当にほっとしたというのが一番最初。やはりちゃんとしたケガがあったんだなと。ずっとただの張りという診断だったので、見つけられて安心しています」

 5月26日に右上腕三頭筋の腱炎で故障者リスト(DL)入り。チームの診断は軽症で、磁気共鳴画像装置(MRI)検査では造影剤を使わなかった。結果、患部に何が起こっていたか判明しないまま強行したリハビリは2度とも失敗。ようやく今月20日の造影剤を使ったMRI検査で「肘の骨のストレス反応と上腕三頭筋の肉離れ」が判明。6週間のノースローとなった。

 問題は1度目のMRI検査が「軽症だろう」という先入観で行われたことだった。一度、造影剤を患部に注入すると、早期復帰が不可能になるから。時間が経っても、患部の痛みは引かない。本当に痛いのかどうか、メンタル面を疑う声も出始めた。「投げたくないから、こうやって痛みを脳が錯覚させてるんじゃないかとか。だから痛くないと言い聞かせて投げてみたり…」。ダルビッシュも自らを疑ったという。

 6月25日のマイナー戦で痛みをこらえて5回を投げ切った。軽症を信じる球団は、同30日か7月1日をメジャー復帰戦と定め、ドジャースタジアムでブルペンに入るよう命じた。「周りはただの“張り”という目で見るから、投げないかんなと思って。あの時ですよ」。痛みは確実に悪化していた。6月上旬のリハビリは、上半身のトレーニングができないまま、ほとんどマッサージだけで強行。骨に負担がかかった。

 移籍1年目の今季は8試合登板、1勝3敗の成績で終えることになった。引退の二文字も頭の中をよぎったが今は、新たなモチベーションを得た。「これがメンタルの問題だったら、俺は野球に向いてないんじゃないかなと思っていたけど、結局、何が原因かと分かった。もっとプレーできるという気持ちになった」。

 ノースロー期間中は上半身のトレーニングは控え、超音波、アイシングなどの治療を優先する。キャッチボール再開は「12月辺りからゆっくり」と見通しを示し、「来年に向け、キャッチボールを痛みなく違和感のない状態でできるようにまずもっていきたい」と力を込めた。2019年の復活へ向け、真のスタートを切る。(シカゴ・奥田秀樹通信員)

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