金足農、記念碑できる!寄付金2億円ペース 報告会で輝星ら感謝

[ 2018年8月24日 05:30 ]

準優勝報告会を終えて吉田(中)は笑顔で引き揚げる(撮影・篠原岳夫)
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 第100回全国高校野球選手権大会で準優勝した金足農は23日、秋田市内の同校で報告会を行った。全校生徒や職員に加え、保護者、地域住民も詰めかけて総勢約1000人が出席。今秋ドラフト1位候補の吉田輝星(こうせい)投手(3年)らナインは感謝の意を表した。渡辺勉校長(55)は1億9000万円の寄付金が集まったことを報告し、記念碑を建てる案があることを明かした。

 準優勝の報告会は校舎前の広場で行われた。全校生徒518人、職員65人、さらに保護者や地域住民も駆けつけ、約1000人からの祝福。吉田は感謝の言葉を述べた。

 「準優勝できたのは自分たちの力以上のものを出させてくれた応援のおかげだと思っています。成績は準優勝でしたが、日本一の応援でした」。最後は1915年の第1回大会で秋田中が準優勝した時も行った万歳三唱で閉幕。東北勢初の大旗は逃したが、秋田勢103年ぶりの準Vを象徴する場面だった。

 予想以上の快進撃で甲子園の滞在日数が延びた。応援団を含めた宿泊費や交通費などのために呼び掛けた寄付金は、当初の予定では5000万円。ところが、OBや秋田市民だけではなく全国的な規模で集まった。21日の時点で1億9000万円と約4倍に膨れ上がり、渡辺勉校長は「予想以上の集まりに我々も本当に感謝して驚いている」と仰天した。

 このペースだと寄付金は2億円を超える。これまでの費用を差し引いても十分すぎる額に「教育活動、学校の環境整備に使えれば」と渡辺校長。野球部の功績を称え、寄付金で準優勝の記念碑を建てる案が浮上した。84年に春夏連続の甲子園出場を記念し「栄光燦然」と記された石碑のほか、OBで大相撲の十両・豪風(39)らの活躍を称える石碑がある。金足農ナインの石碑が並ぶ日は近く、吉田は「凄く応援してくれているんだと思った。感謝したい」と話した。

 18日に同校の農場で9匹の子豚が生まれ、「9人野球」で勝ち進んだチームと重なった。生物資源科で畜産を学ぶ一塁手の高橋佑輔は「命名権」をもらったそうで「9匹全員に、自分たちの名前を付けたい。一番輝いている豚に輝星。一番地味な豚は自分で」と笑った。

 吉田はU18アジア選手権(9月3日開幕、宮崎)の日本代表に選出されている。決勝で戦った大阪桐蔭の根尾、藤原らとチームメートになり「凄く能力の高い人たちと同じ日の丸を背負える。心強く光栄です。直球で押していく投球がしたい」と意気込んだ。秋田の夢を背負った右腕が、次は日本の夢を背負う。 (武田 勇美)

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2018年8月24日のニュース