松井5打席連続敬遠の裏で…ことごとく凡退、心に傷を負った5番打者の苦悩

[ 2018年8月24日 11:30 ]

松井氏(左)らチームメートに、胸に秘めていた思いを明かした当時の5番打者・月岩氏=TBS提供
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 26年を経た今だからこそ、語れる思いがある。25日放送のTBS「バース・デイ」(土曜後4・30)は、92年夏の甲子園の星稜―明徳義塾戦で5打席連続敬遠された松井秀喜(44)ら、当時の星稜のメンバーが第100回大会の開幕前夜に行った同窓会に潜入。これまで仲間同士でも触れるのがタブーとなっていた、この試合の「敗因」にも話が及び、それぞれの思いを語り尽くした。

 社会問題にまで発展した5連続敬遠。敬遠の当事者である4番・松井が悲劇のヒーローとなった裏でもう一人、心に深い傷を負ったのが、5番打者の月岩信成だ。敬遠後の好機でことごとく凡退し、1点を追う9回2死二、三塁でも打てずに最後の打者となった。「戦犯」扱いに心の闇を抱えて仲間との再会も避け、松井も「(会うのは)いつぶりだろう」気にかけていた。

 月岩は、これまで胸に秘めていた思いを同窓会で明かした。

 「いまだにチームメートの誰一人からも、敬遠の試合のことを言われたことがない。それが逆に、僕からすると凄いプレッシャーになって…」。仲間の気遣いが重荷となり、苦しんでいたのだ。だから、こう続けた。

 「今日は、いじられに来ました!どんどん昔の話をしてもらって解放してください!」

 月岩の心の内を知った4番で主将の松井は、当時のメンバーが見守る前で思いを伝えた。それは、ともに白球を追い続けた仲間だからこそ言える言葉だった。

 4時間にも及んだ同窓会に潜入したドキュメントは、2週にわたるスペシャル企画。第2回は9月1日(後5・00)放送される。

(敬称略)

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