清原氏、大魔神と友情キャッチボール 金足農・輝星に「威力感じる」

[ 2018年8月20日 06:55 ]

キャッチボール後に木陰で談笑する佐々木氏(左)と清原氏
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 元プロ野球選手の清原和博氏(51)が、20日に夏の甲子園大会の始球式に登場する佐々木主浩氏(50=野球評論家)の練習パートナーを務めた。2人がキャッチボールを行うのは初めてで、同学年で親交の深い佐々木氏からの依頼に応じた。PL学園の4番として甲子園歴代最多の13本塁打を誇る清原氏は金足農の吉田輝星投手(3年)を絶賛し、時空を超えた戦いを思い描いた。

 練習パートナーに、という佐々木氏からの願いを清原氏は快諾した。「うれしいね。ボールに触るのも、もう何年も触っていない」。引退まで使った「Kiyo」と刺しゅうされた黒いファーストミットをはめた。短い距離に始まり、間隔を広げていった。

 「どこ飛んでいくか分からん」

 「届かんようになってきた」

 時に苦笑いを浮かべながらも。ボールを投げて、受ける。50歳を過ぎた長年の盟友同士ながら、2人で初めて行ったキャッチボールをただ楽しんでいた。

 清原氏 (左手が)痛かったですよ。回転が良くなってきて。

 佐々木氏 空振り取ってくるから。当たり前か(笑い)。

 清原氏 できたらフォークボールを投げてほしいですね。

 佐々木氏 ワンバウンドだったら、フォークだって言うわ(笑い)。

 清原氏は3年春と夏、大差のついた試合の9回に登板し、甲子園のマウンドも踏んでいる。「小さい頃から投手で4番でやってきた。違う意味で打席で打つより緊張しましたね」と懐かしみ、佐々木氏は「本当なら彼も投げるはずだった。その彼の気持ちも持って、準決勝のマウンドに上がりたい」と話した。

 高校球児にとって、甲子園は聖地だ。そこで強烈な輝きを放った清原氏も「僕にとっては特別な場所。あそこで人生が変わって、スタートしていますし」と振り返る。節目である100回記念大会は、残すは準決勝と決勝の計3試合のみ。「甲子園に出るだけでも凄いですし。ましてや今年は100回記念大会。その喜びを感じて悔いのないプレーをしてほしいですね」と穏やかな表情で球児たちの完全燃焼を願った。

 PL学園の主砲として1年夏から4番に座り、甲子園歴代最多13本塁打を架けた。夏は1、3年時に2度制覇。20日は、2年夏の準決勝で下した金足農が、その年以来34年ぶりの準決勝を戦う。最速150キロを誇り、大会最多タイの4試合連続2桁奪三振をマークした吉田の投球は清原氏にもインパクト十分に映っていた。

 「手元で凄くスピードを感じる投手という印象です。打者はホップしているような感覚になるのでは。スピードガン以上に威力を感じます」。打者としての本能がのぞく。「彼と対戦するなら、ストレートを待つでしょうね。そのストレートをいかに打ち損じないか」。かつて甲子園を何度も沸かせたスラッガーは、新たなスターに熱い視線を注いでいる。(後藤 茂樹)

 ▽84年夏の金足農 エース水沢を中心に夏初出場で快進撃。準決勝では当時2年生の「KKコンビ」擁するPL学園と対戦し、8回表まで2―1とリード。しかし、その裏、水沢が1死から4番・清原を四球で歩かせると、続く桑田に左翼ポール際に逆転2ランを浴び決勝進出の夢を絶たれた。PL学園は決勝で取手二に4―8で敗れた。

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