大阪桐蔭4発11点 PL超え聖地歴代最多本塁打、2発藤原は歴代5位タイ5本

[ 2018年8月19日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第14日・準々決勝   大阪桐蔭11―2浦和学院 ( 2018年8月18日    甲子園 )

<浦和学院・大阪桐蔭>5回2死、内角ギリギリの球を右越えに本塁打にする大阪桐蔭・藤原(投手・渡辺) (撮影・成瀬 徹)
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 大阪桐蔭(北大阪)は準々決勝で浦和学院(南埼玉)に11―2で大勝し、4年ぶりのベスト4進出を決めた。4番の藤原恭大外野手(3年)が2本塁打を含む4安打5打点。史上初となる2度目の春夏連覇まであと2勝とした。大阪桐蔭は計4本塁打を放ち、夏の甲子園での本塁打数(48本)、さらに春夏合計の本塁打数(71本)でも歴代最多だったPL学園を超えた。

 一瞬の静寂の後、甲子園は地鳴りのような大歓声に包まれた。9―2で迎えた8回。藤原の打球は低い弾道でバックスクリーンへ飛び込む。高校通算32号。理想に掲げるソフトバンク・柳田をほうふつさせるフルスイングだった。

 「上からしばいたら打球が伸びました。完璧。4番としての仕事ができました。センターへの当たりは、これまでで一番です」

 “PL超え”の一発も4番のバットから生まれた。2―0の5回、プロ注目右腕・渡辺との3度目の対決。「内ばかりを攻めてくる。狙ってやろう」。初球、内角いっぱいに来た143キロ直球をさばき、右翼席へ叩き込んだ。91年の初出場から同校が夏の甲子園で刻んだ46本目の本塁打だ。根尾の一発でPL学園の記録に並び、藤原の1本目であっさりと抜き去った。計4発の圧勝劇で、春夏通算でもPL学園の計70本を1本上回った。

 PL学園は、藤原にとっても特別な存在だった。2歳上の兄・海成さんはPL学園でプレー。休部に陥る前の最後の部員だった。藤原自身もそのユニホームに憧れを抱いた一人だ。兄と会ったのは、今年の正月が最後。「勝負の年だから頑張れよ」と激励を受けた。「PL学園は清原さんや桑田さんら偉大な先輩がいた凄いチーム」と瞳を輝かせた。

 1試合2本塁打は昨春の履正社とのセンバツ決勝以来だ。3回戦の高岡商戦では4打数無安打2三振。前日の練習ではフリー打撃の合間に、20キロのシャフトを使った筋力トレーニングで下半身を鍛えた。「下半身に張りがある方がいい」と言うように、独自の調整で結果に結びつけた。

 甲子園通算5本塁打で歴代5位タイとし、先輩・平田(中日)、森(西武)らと肩を並べた。「歴代の4番と比べたら、自分は非力。足を生かした中距離打者ですから」。典型的な1番打者タイプだが、右膝に不安を抱えた今春のセンバツから座る4番もなじんできた。打率・444、3本塁打、9打点。史上初となる2度目の春夏連覇の偉業に向け「自信を持って次に臨める」と力強く言った。 (吉仲 博幸)

 ▼浦和学院・畑(2年生捕手は内角直球で1発目を打たれ)打たれたのは本当にベストボールでした。詰まらせにいった球を、見たことのないスイングスピードで引っ張られた。

 ▼西武・森(14年度卒)藤原君のバッティングは力強いなと思って見ています。もう抜かれるのは目に見えていますね。

 ≪1位はPL学園・清原の13本≫大阪桐蔭・藤原が浦和学院戦で2本塁打。1試合2本塁打は今大会1回戦の八戸学院光星・東に続く65人、68度目。藤原の甲子園通算本塁打は5本となり大阪桐蔭OBの平田や森らに並ぶ歴代5位となった。1位はPL学園・清原の13本。

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