左股関節に痛みも…金足農・吉田 大会最多タイ4戦連続2桁K「対応力でカバー」

[ 2018年8月19日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第14日・準々決勝   金足農3―2近江 ( 2018年8月18日    甲子園 )

<金足農・近江>劇的な逆転サヨナラ勝ちにベンチを飛び出す金足農・吉田
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 金足農(秋田)の吉田輝星投手(3年)が近江(滋賀)との準々決勝に先発し、2失点で4試合連続完投。9回の2ランスクイズによる逆転サヨナラ劇を呼び込んだ。左股関節を痛めて登板回避も検討された中で140球の熱投。4試合連続の2桁奪三振で大会最多記録に並んだ。金足農は84年以来34年ぶりの準決勝進出。19日の休養日を挟み、20日の準決勝で日大三(西東京)と対戦する。

 心は熱く、頭は冷静だった。1―2で迎えた9回無死一、二塁。吉田はこう思った。

 「ここを抑えれば、甲子園を味方にできる。裏で絶対に逆転できる」。見市を143キロ直球で見逃し三振。林の送りバントも鮮やかな処理で三塁封殺だ。最後は「どこに行ってもいいから全力で投げた」という141キロ直球が内角低めへ。10個目の三振で4試合連続の2桁奪三振を達成した。力を振り絞ったエースにナインも応え、その裏に無死満塁の絶好機。吉田は金足農の応援歌を口ずさみ、勝利を信じた。2ランスクイズでの逆転サヨナラ劇。前日も8回に横浜を逆転したチームはまた奇跡を起こし「(2ランスクイズは)1人目が還ってきて興奮していたら、2人目も還ってきてびっくりした」と目を丸くした。

 横浜戦では中盤から左股関節が痛みだした。この日朝には起き上がれないほどに悪化。マッサージでも痛みは引かず「今日投げるのは無理だと思った」と振り返る。中泉一豊監督にはぎりぎりまでオーダー決定を待ってもらい、状態改善を祈って甲子園へ向かった。

 室内練習場でアップをする段階で痛みは消え「行かせてください」と直訴。中泉監督は「おまえの野球人生はここまでじゃないからよく考えろ」と再考を促すも「やりたいではなくやれます。できるところまでやらせてください」と力説した。

 この日の最速は146キロ。平均も130キロ台後半だったが「対応力でカバーした」と変化球を中心に投球を組み立て、140球で2失点完投だ。6回1死一塁では、送りバントの飛球を打者走者が走りだしていないのを見て、ワンバウンド捕球。トリックプレーで併殺にし「甲子園で相手を観察する力がつきました」と得意げに言った。

 ベスト4は初出場で「金足農旋風」を巻き起こした84年に並ぶ最高成績だ。「股関節はもう大丈夫です。歴史上最高の記録に並べてうれしい」。34年前は桑田、清原の「KKコンビ」を擁するPL学園に敗れたが、今夏は4試合連続完投の絶対エースがいる。東北勢初の大旗まであと2勝。19日の休養日を経て、吉田は準決勝で対戦する日大三に立ちはだかる。 (武田 勇美)

 ▼ヤクルト・石山(06年度卒)勢いがある。凄いなと思います。秋田が凄く盛り上がっている。(20日の準決勝も)応援しています。

 ≪なるか史上初 5戦連続2桁K≫金足農・吉田が近江戦で10奪三振。1回戦からの奪三振は14→13→14→10で、4試合連続2桁奪三振は12年の桐光学園・松井以来6年ぶり7人目の最多タイ記録となった。初戦からに限ると松井以来5人目で、右腕では22年和歌山中・井口、32年明石中・楠本以来86年ぶり3人目。吉田は準決勝の日大三戦で史上初の5試合連続2桁奪三振に挑戦する。

 ≪決勝進出なら秋田勢103年ぶり≫金足農が近江を破り4強に進出。秋田勢の4強進出は84年の同校以来34年ぶり5度目となった。秋田勢の決勝進出は春夏通じても第1回大会だった1915年夏の秋田中以来ないが103年ぶりに進出することができるか。

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