金足農8強に農業関係者歓喜「秋田の誇り」地元駅では応援ボード真っ黒に

[ 2018年8月18日 07:55 ]

17日の試合前に、JR秋田駅改札横にあるボードには金足農業への応援の言葉がびっしり書き込まれていた
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 第100回全国高校野球選手権大会で17日、金足農(秋田)が優勝経験校の横浜(南神奈川)に逆転勝ちし8強に進出した。減少傾向にある農業高校の大活躍に、地元秋田の農業協同組合(JA)だけでなく全国の農業関係者が歓喜している。

 秋田市の「JA秋田なまはげ」ではこの日、職員が会議室に集まり声援。同JAには金足農卒の職員も多く、担当者は「金農の出場自体が11年ぶりなので盛り上がっている。農業県秋田の誇り。頑張ってほしい」と声を弾ませた。実は、エースとして活躍する吉田輝星投手の祖父・理正さんは同JAのOB。現在は潟上市で梨を栽培している。「(理正さん宅の)近所の職員もいて“あそこの家の子だよ”と盛り上がっていますね」と話した。

 同JAは金足農の宿舎に「あきたこまち」100キロ、地元産「わかみメロン」25玉を差し入れた。「勝ち進んで長い滞在になって。もう米もなくなったと思うので、追加も考えないと」とうれしい悲鳴を上げている。

 全国農業高校校長協会の福島実理事長も「農業を学ぶ子がここまでやってくれるとは」と興奮。同協会によると、農業関連学科のみの「農業単独校」は全国に117校。普通科のある近隣校との統合などで、10年前の140校から23校減っている。福島氏は「あの横浜高に勝って、全国の農業高校生も勇気づけられたはず。ぜひこのまま優勝まで突き進んでほしい」と大きな期待を寄せた。

 昨年の農業就業人口は約182万人(農水省調査)で、10年前のわずか58%に落ち込んでいる。金足農の活躍は、就労者減少に歯止めがかからない日本の農業界にとっても明るいニュースだ。

 JR秋田駅改札横には、金足農への応援メッセージを自由に書き込むボードが置かれている。この日の試合前には書き込みで真っ黒。JRの担当者は「駅の待合室でも、皆テレビにくぎ付けで応援しています」と話した。また、街の電器店やショッピングモールのテレビにも人だかり。「昔の街頭テレビ状態です」(地元関係者)と盛り上がっている。

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2018年8月18日のニュース