阪神・福留「奇跡」41歳10号 メッセと投打の大黒柱は強い絆あり

[ 2018年8月11日 06:54 ]

セ・リーグ   阪神3―1DeNA ( 2018年8月10日    横浜 )

<D・神>3回1死、右越えソロを放つ福留(撮影・島崎忠彦)
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 薄暮の空に浮かび上がった白球は右翼スタンド中段に消えていった。打った瞬間、それとわかる一撃。2点リードの3回だった。1死走者なしの第2打席。阪神・福留が2球目のスライダーをジャストミートした。

 「初回に併殺打でチャンスをつぶしてしまっていたので、塁に出てチャンスを作ろうと思い打ちにいった。いい形でしっかりとらえることができた」

 4日のヤクルト戦以来となる出場5試合ぶりの10号ソロ。15年から4年連続となる2桁本塁打達成となった。阪神で41歳以上のシーズンでは11年の金本以来、球団史上3人目という快挙だ。7日の巨人戦から4試合連続打点となり、節目の50打点に到達。チームを連勝へと導いた。

 「(41歳での2桁本塁打は)奇跡。そういう奇跡が起こって良かったよ」

 「奇跡」という言葉で表現した日米通算308本目のアーチだった。奮闘し続ける大ベテランの原動力こそがチームの勝利。「ランディが安定していたし、いい1本になって良かった」。文字通り、先発のメッセンジャーを援護したが、投打の大黒柱は強い絆で結ばれている。

 「例えばフェンス際の邪飛を捕れなかったとき、まだ守備位置に帰っている途中なのに若い投手は、もう捕手に投げようとしている。でも、ランディは必ず待っていてくれているし、手を上げて“いけるか?”と合図してくれたりする」

 野手を思いやる心を知るからこそ、援護したい気持ちは、より強くなる。助っ人右腕が先発した20試合では打率・314、4本塁打をマーク。好相性はこの夜も健在だった。

 「昨日の勝ちを今日につなげられて良かった。また今日の勝ちを明日につなげたい。一つ一つ目の前のことをやっていく」。最大8あったチームの借金は、残り4まで減少。一戦必勝の精神で、11日も勝利をつかみ取る。(山本 浩之)

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