木更津総合・野尻、二刀流躍動!8回途中1失点 快音2安打

[ 2018年8月11日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第6日・1回戦   木更津総合10―1敦賀気比 ( 2018年8月10日    甲子園 )

8回途中を1失点に抑えた木更津総合・野尻(撮影・近藤 大暉)
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 1回戦3試合が行われた。木更津総合は10―1で敦賀気比を下し、2年ぶりに初戦突破。背番号1で4番の野尻幸輝投手(3年)が攻守に躍動し、甲子園では同校初の2桁得点の大勝を飾った。

 エースで4番。木更津総合の歴史で、甲子園にその肩書で出場したのは野尻が初めてだった。投げては8回途中1失点、打っては2安打と躍動。15年センバツ王者の敦賀気比相手の完勝に導き、98年から率いる五島卓道監督に甲子園10勝目をプレゼントした。

 「早川さん、山下さんから継いだ番号。責任感を持ってやってきた」。挙げたのは一昨年、昨年と甲子園の土を踏んだ歴代エースの名前。東千葉大会では背番号5で、聖地には初めてエースナンバーを背負って真の二刀流として乗り込んだ。昨夏の甲子園にも三塁のレギュラーとして出場。日本航空石川に一時4点をリードも終盤に逆転され5―6で敗れた。だから何点取っても油断しなかった。

 一挙にリードを広げた6回。敵失で出塁していた野尻は暴投で相手の捕手・杉森が球を見失っている間に全速力で一塁から三塁へ到達し、得点を目指した。「一つ先の塁を目指すのが木更津総合の野球」と胸を張る。8回には左翼への二塁打でチャンスメークし、チーム初の甲子園2桁得点へとつなげた。

 投球では間の長さを調節してほんろう。野手出身らしさも発揮した。2回に4番・阪口の強烈なライナーを捕ると、3回はマウンドと三塁の間へ高くはねた西川の打球に対し、逆シングルの体勢で思い切りジャンプ。投ゴロに仕留めた。

 大阪桐蔭・根尾らと岐阜県選抜でともにプレーしていた頃は「野球を分かっていなかった」という。「監督さんに考え方を教わって今がある」。全国に名をはせる二刀流のライバルは初戦に登板せず、野尻は先に投打に力を示した。大阪桐蔭とは準決勝以降まで対戦しないが「しっかり投げきって、フルスイングして根尾に勝ちたい」と宣言。二刀流の頂点、全国の頂点を狙っている。  (松井 いつき)

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2018年8月11日のニュース