広島 Gカモってる!4年連続勝ち越し決定 4番誠也2発3年連続20号

[ 2018年8月11日 05:30 ]

セ・リーグ   広島9―3巨人 ( 2018年8月10日    マツダ )

<広・巨>初回、先制の2ランを放ち、菊池(左)ともんで〜「胸タッチ」を交わす鈴木(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 広島は10日の巨人戦に大勝し、4年連続のカード勝ち越しを決めた。4番・鈴木誠也外野手(23)が鮮やかな2ラン2発。初回に先制の19号を放ち、2点差に迫られた7回には3年連続の20号で突き放した。7回途中3失点の野村祐輔投手(29)が6勝目。阪神が勝ったため優勝へのマジックナンバー点灯は持ち越しても、今季2度目の6連勝で今季最多を更新する貯金22へ伸ばした。

 相手に強いダメージを与える2ラン2発だった。先制パンチの19号に、敵の戦意を喪失させる20号。初対戦でも、難しいボールでも関係ない。防御率0点台の左腕攻略の先陣を切り、6連勝に貢献した4番・鈴木は充実感に浸っていた。

 「好投手なので、初回から崩そうと思って積極的にいった。2本目はたまたま。ただ、どちらも自分のスイングができました」

 初回2死一塁。1ボールからの2球目、メルセデスの145キロの内角直球を鋭く振り抜いた。左翼席に吸い込まれる先制アーチ。2点差に迫られた直後の7回1死一塁でも2番手・野上の外角低め145キロ直球を右翼席へ運んだ。これぞ主砲の仕事だった。

 24歳シーズンまでの3年連続20本塁打は球団史上初。加えて今季は打率、出塁率でもトップ争いを演じる。万能型のスラッガーへと成長する転機は、3年前の15年だった。出場97試合で打率・275をマーク。高卒3年目にしては出色の成績だが、鈴木本人はもどかしさを感じていた。

 「打ち損じが多かったんです。だから、技術を磨きたくて…」

 打撃への学習意欲が高まり、先輩の小窪を通じて翌16年1月、ソフトバンク・内川の自主トレに参加。同じ右打ちの第一人者から得たものは多く、秘めたる才能は一気に開花した。今や押しも押されもせぬ4番。この日の活躍が価値を証明する。

 4年連続の巨人戦勝ち越し。本拠地では今季9戦全勝で、昨季から13連勝と圧倒的な強さを見せつける。緒方監督は「誠也の本塁打から始まって、2本目も大きかった」とし、勝利に導く4打点の活躍に目を細めた。

 「今は数字を意識していない。シーズンが終了した時、いい結果になっていればいい」

 重視するのは打率、本塁打よりも打点。個人記録よりもチームの勝利。「試合に勝って皆で喜びたいので」。連勝を伸ばし、リーグ3連覇に向かって勢いを加速させる赤ヘル。凄みを増す若き4番の存在が心強い。(江尾 卓也)

 ≪15年から4年連続 巨人戦勝ち越し決定≫広島は本拠地マツダでの巨人戦を今季9戦9勝。昨季8月12日から13連勝で、52年のフランチャイズ制以降、広島本拠地のカード別最多連勝の79〜81年広島市民での中日戦14連勝(2分け含む)にあと1勝としている。また今季の巨人戦は13勝4敗で勝ち越しが決定。15年から4年連続は85〜88年に並ぶ球団タイ記録。

続きを表示

この記事のフォト

2018年8月11日のニュース